子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(5)大津川左岸6号雨水幹線周辺(その2)

前回の逆井運動場から更に上流側(西側)の逆井多目的調整池を経由して大津川左岸6号雨水幹線の更に支流をトレースした結果です。河川とは直接菅家ありませんが南部クリーンセンター(リフレッシュプラザ)周辺の測定結果も合わせて収録しました。
以下全体の位置関係を示しますが、市街地および道路周辺はほぼ0.1μSv/h以下(水色)であるのに対し河川、植栽(山林)周辺で相対的に線量が高い(緑色、黄色)ことが判ります。(測定高さ50cm)
OS_00B.jpg
前回分のデーターと統合した6号雨水幹線周辺のGoogleEarth用KMZファイルを作成しました。
2015年10月25日_大津川6号雨水幹線.kmz

HSFによる大津川左岸6号雨水幹線周辺の放射線量マップ(GFT版)

大きな地図で HSFによる大津川左岸6号雨水幹線周辺の放射線量マップ を見る

連続歩行測定のほかに任意のポイントで静止し5cm、50cm、100cmの15秒間の平均値を測定した「平均値マップ」に今回分のデーターを追記しました。(フレーム右上の□アイコンをクリックすると全画面表示します。



以下 各測定ポイントの詳細について説明しますが、位置関係については下図をご参照下さい。
6G-W.jpg

①東武線-逆井調整池間
OS-01C.jpg
6号雨水幹線は東武野田線の盛土下の隧道を通過しています。
IMG_2715.jpg
下流側(東武線側)から見た6号幹線 画像左(右岸)は護岸が崩落したのか土のう(フレコンパック)での改修が施されていました。(画面奥が逆井調整池)
IMG_2723.jpg

②逆井多目的調整池周辺
OS_01A.jpg
調整池と接する河川敷で放射性セシウムの顕著な沈着が確認されました。(下写真赤丸の範囲)


IMG_2719A_20151103210835bc6.jpg
写真のような水辺の斜面なので正確に高さ50cmとは言えませんが、地表5cmでは0.52μSv/h程度あります。
IMG_2720.jpg
調整池全景(上流側から) 調整池自体は周辺より線量は高いもののコンクリート境界部など一部を除き顕著な沈着は確認されませんでした。
IMG_2712.jpg

③逆井河川浄化施設-送り橋付近

OS-02_2015110321273178a.jpg
写真対岸(右)が河川浄化施設、奥が送り橋
IMG_2706.jpg
急斜面ですが、かろうじて降りられる水辺ではそれなりのセシウムの沈着が確認できます。
地表5cm:0.30μSv/h 50cm:0.17μSv/h 100cm:0.11μSv/h
IMG_2704.jpg
同様の施設は大堀川にもありますが浄化施設では化学的、物理的方法(細砂ろ過)によりリン、浮遊物を除去し、生成した汚泥は我孫子市終末処理場で処理されているようです。
手賀沼水環境保全協議会 河川のリン除去施設

間接的に6号幹線が手賀沼の水質に大きく寄与していると考える事も出来ます。


④逆井中-柏陵高校入口交差点周辺
OS-06.jpg
逆井中脇 完全な人工護岸で、この先は上画像のように民有地際をぬうように流れているため川べりに近づくことができませんでした。
IMG_2701.jpg
柏陵高校入口交差点付近で道路とクロスする橋上から 水路、悪く言えばドブのようなものです。
IMG_2698.jpg
上写真箇所の周辺線量は0.07~0.09μSv/h(50cm)で底質の濃度は不明ですが環境に寄与しているとは考えにくいレベルです。
さらに上流側はGoogleMapで確認しても私有地をぬう人工護岸の水路でこれ以上の遡行は断念しました。

前回のまとめを敷衍する形になり、結論めいたものは出ませんが、数少ない情況証拠から
特に強い汚染源がなくとも平均降下量がそれなりの値で都市化が進行し、放射性降下物が継続的に河川に流れ込む場合、セシウムを補足しやすい地形、地質条件が整えば、それなりの沈着(濃縮)が生じる、つまり「溜りやすい所に溜まる」のではないかという実も蓋もない話が現時点での考察です。


⑤南部クリーンセンター(リフレッシュプラザ)
nanbuCC.jpg
こちらは河川と関係なく主目的ではないため、極簡単に敷地内をトレースした結果です。
清掃工場側から見たリフレッシュプラザと多目的広場(調整池兼用)
IMG_2692.jpg
前述の様に植栽部分は園地より高めとはいえ0.2μSv/h(50cm)を超える箇所はありませんでした。たまたま場外の歩道植栽(バス停前)で1箇所マイクロスポットを発見しました。
5cm:0.72μSv/h 50cm:0.25μSv/h 100cm:0.16μSv/h
20151025_114135.jpg
同箇所遠景
IMG_2695.jpg

大津川上流域の調査は今回で一区切りとし、次回以降は手賀沼周辺に戻って、手賀大橋、染井入落、片田新田付近を順次測定する予定です。

〈関連情報〉
柏市HP 柏市排水施設の空間放射線量マップ
逆井多目的調整池(PDF形式:182KB)
柏市HP 柏市第二清掃工場(南部クリーンセンター)の放射線量測定結果(平成27年10月分)

〈関連記事〉
HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(5)大津川左岸6号雨水幹線周辺(その1)
HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(4)大津川上流(芦川橋以南)
HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(3)塚崎、高柳周辺

HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(5)大津川左岸6号雨水幹線周辺(その1)

タイトルが入れ子的に長くなっていますが、2回に分けて宮下橋付近で大津川に合流する6号雨水幹線付周辺のHSF測定結果を紹介する予定です。
これまで「支流」と呼んできましたが正しくは「大津川左岸6号雨水幹線」で準用河川ですらありませんでした。
下図に作成した流域図(GoogleMap)を示しますが、大津川に流入している雨水幹線がのうち6号幹線は最長のものではないでしょうか。(赤四角がこれまでの調査範囲、オレンジは今回分)
ohtsugawazone.jpg
1回目は合流点から逆井運動場までの範囲ですが、河川の名称や逆井運動場周辺については以下のサイトの情報を参照させていただきました。

鎌ヶ谷散歩 鎌ケ谷の大師堂(13) 柏市逆井北東部を歩く

以下全体図と測定箇所の詳細です。
OS-00.jpg
測定条件はHSF検出器を地表50cmの高さに固定し歩行しながら放射線量を測定、記録した5秒間の平均値をマップ上に表示しています。連続測定の他に任意のポイントで静止し5cm、 50cm、100cmでの15秒間の平均値も測定した「平均値マップ」に今回分を追記しました。(フレーム右上の□アイコンをクリックすると拡大表示しま す)

GoogleEarth用のKMZファイルやGoogleFusionTables版次回分とまとめて作成しますので今しばらくお待ち下さい。

①大津川合流点付近
OS-05.jpg
大津川側から見た合流点付近
水辺との高低差、傾斜が大きく取り付くシマがありません。
IMG_2439.jpg

②介護施設周辺
OS-04.jpg
上画像の青い屋根(介護施設の対岸 護岸は砂質で崩落防止のため木杭と板で山留めされていますが、水辺にかろうじて立ち入れるスペースがあります。
IMG_2433.jpg
同箇所水辺、それなりのセシウムの沈着が確認されました。
5cm:0.36μSv/h 50cm:0.27μSv/h 100cm;0.19μSv/h
IMG_2431.jpg

③介護施設~逆井運動場
OS-02.jpg
写真右奥は介護施設 この辺は傾斜が緩やかで水辺に近づくことができました。
IMG_2425A.jpg
上写真赤丸の箇所 セシウムの沈着を確認
5cm:0.26μSv/h 50cm:0.21μSv/h 100cm;0.17μSv/h
IMG_2428.jpg

④逆井運動場周辺 
OS-01B.jpg
運動場脇の護岸はフェンスが張り巡らされ施錠されているので近づけず、上流側に向かうには大きく迂回しなければなりません。
IMG_2420.jpg
河川とは関係ありませんが迂回したおかげで運動場のフェンスに沿って歩道の堆積土によるマイクロスポットを発見しました。隣接して小学校がありますが運動場の利用者は大半が車両を利用し人が通らないため見過ごされて来たのかもしれません。
5cm:0.66μSv/h 50cm:0.35μSv/h 100cm;0.27μSv/h
IMG_2726.jpg
同箇所遠景 写真手前が歩道側
IMG_2727.jpg

次回はさらに上流の逆井調整池~南増尾南部クリーンセンター周辺の結果をまとめます。

〈関連記事〉
HSFによる柏市大津川河口(手賀沼)周辺の放射線量マップ(1)
HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(2)上沼橋-大津ケ丘
HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(3)塚崎、高柳周辺
HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(4)大津川上流(芦川橋以南)

HSFによる柏市大津川(手賀沼)周辺の放射線量マップ(4)大津川上流(芦川橋以南)

Twitter上でSW83Aさんからコメントいただいたこともあり、時間的な順序は逆ですが芦川橋以南(上流)の大津川、上大津川を調査した結果をまとめました。(測定場所、測定方法など詳細は前回記事をご参照下さい)
今回分の測定結果を単独のKMZファイルを作成しましたので前回分と合わせてご覧下さい。

2015年10月12日_大津川上流域(芦川橋以南).kmz

GFT版マップ、平均値マップとも今回のデーターを追記してあります。
HSFによる柏市大津川(芦川橋以南)の放射線量マップ(GFT版)

大きな地図でHSFによる大津川上流域の放射線量マップを見る

5,50,100cm高さごとの静止平均値マップ


宮下橋以南(上流側)の全体図に今回調査範囲を図示しました。
OU-00A.jpg
以下各部の詳細です。

①芦川橋北(下流側)
OU-01.jpg
未調査だった芦川橋以北(下流側)の左岸を測定しました。下写真は芦川橋上から見た下流側、数値自体は右岸側と大きな差異はありませんでした。
IMG_2526_20151016071448bc7.jpg

②芦川橋南(上流側)
OU-02A.jpg
上のGoogleEarthの画像(2014年3月取得)では芦川橋の架替に伴う周辺工事が行われている状態。現在のAポイント(右岸側)から見た大津川、対岸の法面も固められてコンクリートの流入口が完成して河川の形状も若干異なっています。
IMG_2557.jpg
下の画像は
千葉県HP 河川改修の実施状況 利根川水系 手賀沼/印旛沼・根木名川圏域 河川整備計画(平成19年7月1日策定)
から引用したものです。
ohtsugawa-kaisyu_20151017015703d6e.jpg
下のGoogleStreetViewの画像は取得が2015年5月と最近のもので、芦川橋周辺から上流側も橋梁の架替や河川改修によって人の手が入っている事がわかります。おそらく芦川橋周辺の右岸堰堤や河川敷周辺が0.04~0.06μSv/hと低線量なのは工事による環境の撹拌(意図しない除染)によるものと考えられれますが、改修前の周辺線量などは今となっては確認できません。
GSV_ashikawabrig_20151016053404f71.jpg

③大津川-上大津川合流点付近

 OU-03B.jpg
さらに上流側の上大津川(画像左上)・大津川(画像左下)合流点付近ですが、画像中央下0.03~0.04μSv/hの範囲は砂利敷で前記のように工事関連で使用された場所ではないかと思います。
合流点付近から下流側の河川改修(拡幅)は未着工ですが、準用河川である上大津川は柏市の所管ですが千葉県と同様の河川改修の計画はあるようです。
柏市HP 準用河川上大津川の整備について

上のBポイントで水辺まで降りて線量を測定しましたが、高さ5cm(地表)でも0.12μSv/h程度と周辺と大きな差異はありません。(下写真でわかるようにきれいな砂地です)
IMG_2536.jpg
Cポイント付近  護岸がほぼ直角に切れ落ちていますが下(四角のマーカ―)増水時に水際が侵食され砂質の上層が崩落した跡ではないかと思います。これほど極端ではありませんが上流側は護岸の傾斜がきつく水辺に降りられそうなポイントがほとんどありません。
IMG_2555.jpg
Dポイント付近(上大津川左岸水辺) 周辺は傾斜と草が密集して水辺を確認できたのは上記の1点のみですが、若干のセシウムの沈着が確認されましたが範囲は限定的です。
 IMG_2544_20151017212503d88.jpg

これから更に上流側は川幅も狭く「これが大津川?」というような農地をぬう水路です。
下写真は大津川17号橋から見た上流側 前述のように斜度がきつく草が繁茂して水辺に降りるのは難しそうです。
IMG_2550.jpg

沈着のメカニズムについて
調査結果は汚染源の同定という目的からすると煮えない話になってしまいましたが、河川における沈着(濃縮)のメカニズムについて素人なりに考えてみました。

阿武隈川の例などから雨水によって河川に流入した放射性降下物は流速の速い上、中流域は通過し、川幅が広がり流速が落ちる河口付近で沈降、沈着する(らしい)
・放射性セシウムが沈降しても土壌中の粘土鉱物と結合するには若干のタイムラグがあり、一定時間滞留する必要がある。

wiki.png 右図はWikipediaの「堤防」の項から引用した一般的な河川の断面図です。②の低水路が増水によりオーバーフローし③の河川敷が浸水→流速は低下、水が引き通常水位に戻るまで河川敷上に長時間滞留することになり、こうしたプロセスを繰り返すことでり護岸(河川敷)に放射性セシウムが濃縮するのではないかと推定しています。

以上の仮定が正しければ大津川の場合、河川改修によって芦川橋周辺で上、下流の河川の形状が大幅に異なることが影響していると考えられます。

下写真は大津川上流域(沼南幼稚園付近) 埋設した周囲の土砂が流失して樋管がむき出しになっていました。(対岸水路周辺の地表5cmの線量は0.08μSv/h程度)
IMG_2552.jpg
前記Cポイントの崩落箇所と同じく、増水時の流速が速く「沈着」するというより流出する方が多いかもしれません。

雑駁に言えば河川敷の汚染度は
河川の流域面積×流域の平均降下量×環境変数=汚染度(沈着量)

という関係で表され、千葉市の坂月川のように平均降下量が少ない地域でも流域面積における都市化率が高く、河川の条件が揃うととそれなりの汚染が発生する場合があり、必ずしも上流域に強い汚染源があるとは言えません。(そもそも大津川で河川改修が必要になったのも上流域の都市化により保水力が低下してピーク流量が増大した為と言えるのですが...。)
なお、「環境変数」というのは都市化率、河川の断面形状、護岸の土質など何でも入るかなりいい加減な概念です。

次回は宮下橋付近で大津川に合流する支流周辺についてまとめる予定です。

〈関連記事〉
HSFによる松戸市国分川流域の放射線量マップ(1)
HSFによる千葉市周辺(2015年)の放射線量マップ(4)若葉区坂月川
坂月川上流域の詳細調査結果(その1)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。