子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

六市協議会記事(のつづき)

『正統性」をどこから調達するか?
東電福島第一原発事故を受けての食品の暫定基準値の制定過程については三重大学の勝川先生のブログに解説記事がありますが、食品安全委員会の構成メンバーは「10mSv以下の低線量はリスクなし」2名、中立1名、「低線量でもリスクあり」1名という構成だったようです。勝川先生も言う様に「あらすじは厚労省が書いた」のでなければ2時間の会議で決まるわけがありませんが「いちおう反対派の意見も聞いたから」とポーズは取る訳です。(少なくとも議事録には残る)

それに比べると「六市協議会」のやっている事は野蛮というかお下劣というか、「結論はこれ以外にない」という前提から全てが逆算されているという過程がむき出しで「やらせメール」問題と共通する判りやすさがあります。
前にも書きましたが中村先生という方がどんな立派な研究者かは門外漢の私にはわかりません。が、公的な機関から要請され公的な立場で発言したにも関わらず「マスコミが曲解する」からといって記者会見にも出ないというのはいかがなものでしょうか?
言葉は悪いですがそんな「へたれ」がひとさまの(お子さんの)健康や生命に関わることについて軽々しく発言すべきでないと個人的には思いますが?

千葉市もそうですが「学者を呼んでその意見を根拠にする」というやり方を社会学のタームでは「正統性の調達」といいます。
本来正統性の源泉は公権力への信頼であり法なのですが、はっきり言えばそれが崩れている、誰も信じていないから自治体独自で調達しようとするわけで、非常に危険な状態だと思っています。
この原因としては
  • 原子力災害特別措置法をはじめとする関連法規が「大規模公衆被曝」のような過酷事故を全く想定していない
  • 原子力発電への規制が公害、環境行政の埒外に置かれていた事
  • 原子力行政の推進、規制機関が同一(保安院)で、反対、中立の意見すら開示されなかった
  • 従って原発立地県以外の自治体には放射線防護についての何のノウハウも存在しない。
というのが現実です。

ちなみに千葉市では意見を求めた千葉大の先生に「報酬は支払っていない」との事ですが六市協議会の場合は情報がありません。御存知の方がおられたら是非コメントください。誤解されると困るので書いておきますが、私は様々な意見の学者が公的な立場で発言するのがいけないなどと言っていません。しかし公権力になりかわって(代行して)発言するなら公権力の庇護は期待できないのだから、あくまでも発言内容については個人として責任を負う必要があるという事です。従って批判されたら公的な場で反論すれば良いのであって「学問の自由」や「言論の自由」などお門違いの理由で騒ぎ立てないようお願いしたいと思います。

暫定基準値は社会的、経済的要因で決まる
もう一点先日の崎山先生の講演会でもお話がありましたが「暫定基準値」は社会的、経済的な要因で決まるという事です。私が見る限りですが、このことをはっきり理解、表明している「理系」の研究者は非常に少ないように思えます。また私たちの様な素人が不毛な「科学論争」に引きずり込まれる前に注意しなくてはならない点です。(「がまん量」という言葉が初見されるのは武谷三男の『原子力発電』という本だと思います。最近だと「ベネフィット」というお洒落な言葉があります。)

例えば上記の勝川先生の記事に出てきた「市場希釈率」ですが、これはあくまで「消費者に選択の自由がある」というのが前提です。福島県の学校給食で「地産地消」と言って地元の農産物を主に用いる、あるいは九州の豪雨で農産物の出荷量が下がり、「応援フェア」と言ってスーパーに福島県産の野菜が大量に並ぶといった状況では「選択の自由」はありません。
「風評」と言いますが市場経済というのは「欲しくない」という人に無理に買わせる事はできませんから市場的な原理で解決するしかありません。
また給食で牛乳を拒否した子どもが「福島の人たちに悪いと思わないのか!」と同級生のいじめにあったという話を聞ききましたが、大人は子どもの純粋だが単純で間違った正義感を正さなくてはならないと思います。(間違った正義感のまま大人になった人もたくさんいますが)

食品の検査精度はかけた時間で決まる
あと食品の検査方法については、先日の箕輪さんの講演会でもお話がありましたがストロンチュウムやプルトニュウムといった核種を検出するには試料を焼却して灰にして硝酸で処理して不純物を取り除くなど非常に時間と手間を要します。
セシウムの検出についても現在主に行われているのは簡易的は検査方法ですが京都大学原子炉実験所の小出助教がおっしゃっていますが検出精度は分析にどれだけの時間=コストをかけたのかに依存します。


「究極の選択」ですが精度を落として検査の目を粗くしても出来るだけ沢山の農産物を検査しなくてはならないはずですが、実際に検査されているのは品目、サンプル数ともにごくわずかなものです。

特に南相馬産の牛肉問題は「牛の体表の表面汚染から内部被曝を推定する」という検査方法自体が破綻したという点で重大です。「牛と人間を一緒にするな」とお叱りを受けそうですが、この事は以前の記事で触れた児童の内部被曝の問題と関連する話だと思います。

参考資料:
結局、千葉・東葛6市は放射線対策にまともに取り組む気はないようです
【福島発】市民放射能測定所 17日に正式オープン
緊急時における食品の放射能測定マニュアル
放射能汚染された食品の取り扱いについて
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