子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

3月15日に何が起きたのか(核種についてのつづき)

甲状腺等価線量のつづきと思ったのですがこういう記事に即応するのはもっと大事だと思います。(最下欄に全文保存しておきます。)
東京新聞 福島第一周辺の子1000人調査 甲状腺微量被ばく45%

この記事には7月4日の記者会見とありますが原子力安全委員会の記者ブリーフィング定例会議の議事録に該当する内容は見当たりませんでした。この記事の内容は加藤審議官の発言のようですが、公的な文書のありかを御存知の方は是非教えていただきたいとおもいます。
関連した内容に広げると6月30日の記者ブリーフィングで市民団体の調査によって福島の子どもの尿からセシウムが検出された件について、斑目委員長が「被ばく医療の専門家ではないので、はっきりしたことは言えません」とことわりながら「疫学的な意味での有意な影響はないと言い切れる」とおっしゃっているのは相変わらず不可解です。たしか斑目先生の御専門は流体力学だったと思いますが?

原子力安全委員会は「20ミリシーベルト問題」で文科省と「言った、言わない」の壮絶なバトルを繰り広げて信頼を失墜させた「前科」があるので今回も「委員にはからず事務方が勝手に個人的見解を放言している」様な事でなければよいと危惧します。

と、いうわけで記事を裏付ける公的文書を確認できていないのでツッコミを入れるのすら空しいのですが、その上で疑問点にいくつか触れてみます。

●「甲状腺被ばくの可能性が高いと予想されたいわき市、川俣町、飯舘村」とありますが福島第一原発からの方位も距離も違います。3月26日以前の段階でどのように予測を立てたのでしょうか。SPEEDIを使ったのだとすると「住民の避難には使わないが被害の予測には使う」と読めてしまうのですが、邪推でしょうか。

●どのような「調査」をしたのかまるで判りません。ホールボディカウンターを使用した実測値なら「換算には目が粗い」という文言はありえません。(単位はcpm)大気中の放射線濃度、実効線量から換算したなら基礎になったデーターや算出過程が不明です。

●被曝の要因となった放射性ヨウ素の放出源がこれまでこのブログで述べてきたように3月15日の2号機の格納容器破壊だった場合、東大の早野先生によるとI-131の物理的半減期、生物学的半減期も8日ですから、なんらかの補正を行わないと過小評価になります。そういう意味でも算出過程が不明では評価できません。

●「精密測定は必要ない」というのが加藤審議官の個人的見解なのか、原子力安全委員会あるいは統括する内閣府(原子力災害対策本部)の見解なのかわかりません。換算モデルというのは過小評価、過大評価のリスクを伴います。そのリスクのどちらに軸足を置くかは恣意的な判断(価値観)が必ず介在します。

あと、メールでお問い合わせがあり前の記事で書き残した文科省の暫定基準について少し触れておきます。
福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について
この文書の肝は以下の一行です。
今年度,学校において児童生徒等が受ける線量について,当面,年間1ミリシーベルト以下を目指す」
つまり今年度、4月1日以前の積算被曝量は「チャラにする、リセットして数えなおし」という事です。さすが文科省のキャリア官僚の皆さんの頭の良さには心底感心します。
その頭の良さを個人線量計(フイルムバッチ)を持って学校に通う福島の子ども達のために使ってもらえないだろうかと思うのはお節介でしょうか?
福島の子ども達
(写真は産経新聞Web版より)

原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書 -東京電力福島原子力発電所の事故について-
Ⅶ.放射線被ばくの状況 

東京新聞 2011年7月5日 朝刊
 東京電力福島第一原発の事故で、国の原子力安全委員会は四日、三月下旬に福島県内の第一原発周辺の市町村に住む子供約千人を対象に行った放射線被ばく調査で、45%の子供が甲状腺に被ばくしていたことを明らかにした。安全委の加藤重治審議官は「精密検査の必要はないレベル」と話している。
 調査は国と同県が三月二十六~三十日に、甲状腺被ばくの可能性が高いと予想されたいわき市、川俣町、飯舘村で、ゼロ~十五歳までの千八十人を対象に実施。45%の子供に被ばくが確認された。
 安全委によると、最高値は毎時〇・一マイクロシーベルト(一歳児の甲状腺被ばく量に換算すると年五〇ミリシーベルト相当)に上ったが、99%は毎時〇・〇四マイクロシーベルト以下。同様の換算で年二〇ミリシーベルトに相当するが、加藤審議官は四日の記者会見で「換算するには(調査の)精度が粗い。精密測定が必要な子供はいなかった」と述べた。
 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、年間一〇〇ミリシーベルトの被ばくで発がんリスクが0・5%高まるとして、同量を緊急時の年間被ばく限度としている。今回の調査でも一〇〇ミリシーベルトを基準とし、一歳児の甲状腺被ばくの年換算でこれに相当する毎時〇・二マイクロシーベルトを超えた場合、精密検査をする予定だった。
 国が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書では、千八十人の子供の甲状腺被ばくを調査したことを記しているが、何割の子供が実際に被ばくしていたかは明らかにしていなかった。




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Comment

Re: タイトルなし
> ネットの書き込みだとこどもののどにガイガーカウンターを当ててはかったと書いてありましたが本当でしょうか
まさかそれはないと思います。
いわゆる「スクーリニング」で衣服や髪の毛、皮膚についた放射性物質を測定して、内部被曝を推定しているのではないかと思います。
http://rocketnews24.com/2011/04/12/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E9%87%8F%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98-%E6%B5%AA%E6%B1%9F%E7%94%BA/

崎山先生も講演会で説明されていましたが人体がガイガーカウンターで測れるような状態(放射化)になったら、その人はおそらく生きていられません。

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