HSFによる松戸市坂川流域の放射線量マップ(5) 坂川放水路・まこも池緑地周辺
下図にこれまでの調査区域と今回(赤枠)の位置関係を示します。
以下は今回測定範囲の全体図(GoogleEarth)ですが、表示の都合で北(上)を右側に90度時計回りで回転しています。
マップの数値は地表50cmの放射線量を歩行しながら連続して記録し、その5秒毎の平均値をマーカー位置に表示しています。(また任意のポイントで静止し5cm、50cm、100cmでの15秒間の平均値を記録しています。)
GoogleEarth表示用のKMZファイルとWebブラウザからマップを参照するためのGFT版マップを作成しましたので以下のリンクからご利用下さい。
2015年09月05日_ 松戸市坂川放水路-_まこも池緑地.kmz
HSFによる松戸市坂川放水路・まこも池緑地の放射線量マップ(GFT版)
大きな地図でHSFによる松戸市坂川放水路・まこも池緑地の放射線量マップを見る
①坂川放水路北(坂川水門)法面下
0.3~1マイクロ(50cm)の範囲が法(のり)面下に線的に連続していますが、面的な広がりはありません。これまでの江戸川下流(矢切)や荒川でも同様の箇所が確認されていますが、コンクリート法面上のの放射性降下物が雨水で流され草地境界で強い濃縮が生じた事が原因と推定されます。
最も線量が高いポイントの地表5cmは2μSv/h以上あります。
残念ですが柏市大堀川の例でも現状では河川敷(国交省・千葉県所管)は高さ1mで1μSv/h程度ないと看板の設置もしないので、利用者が注意するしかありません。
②坂川放水路北(スポーツ広場)法面下
当日は少年サッカーの試合があり、多くの家族連れが駐車スペースとして利用されていました。
上記箇所と同様ですが、やや線量率は低めで地表5cmは1μSv/h程度
③坂川松戸排水機場水門周辺
同箇所(対岸より) 人工物との境界で強い濃縮が認められますが、この辺りは釣り人しか立ち入らないようです。
最も線量が高いポイントの地表5cm:0.96μSv/h
④まこも池緑地と川の一里塚周辺
堰堤上の川の一里塚(主水新田)
草地周辺にHSF検出器を直置きし300秒間の平均値とスペクトルを採取しました。
(直置きでの線量率は0.12μSv/h 50cm:0.11μSv/h 100cm:0.11μSv/h)
同箇所から5cm深さで土壌を採取してEMF211γ線スペクトロメーターで放射能濃度を測定しました。
Cs合算で約700Bq/kg(134/137存在比≒0.24)
堰堤最上段の草付きの平坦部であることから放射性降下物がほとんど移動していないと仮定すると原発事故直後(2011年5月)時点では1200Bq/kg程度の放射能濃度だと推定できます。
川の一里塚から俯瞰した「まこも池緑地」
川の一里塚裏からまこも池に降りるの斜路の線量は堰堤上のサイクリングロードの2~3倍程度あり、斜面からの影響を強く受けているのではないかと推定しています。まこも池自体は中高年の釣り人しか見かけませんでしたが、人工物との境界以外の敷地や水辺の線量はさほど高くはありません。
⑤江戸川河川敷-栄町5付近(横六間川)
コンクリート階段の下部の草地との境界で局所的に濃縮が生じています。
地表5cmの線量率は0.84μSv/h程度、50cmでは0.26~0.36μSv/hですが非常に局所的です。
次回の記事は江戸川に合流する横六間川と坂川プロムナード周辺の測定結果のまとめを予定しています。
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