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アルマジロとThereminoGeigerによるおうちMP(もどき)

 1インチCsI(Tl)結晶とP.D(フォト・ダイオード)を使用した超小型シンチレーター方式γ線検出器アルマジロtype3についてThereminoMCAと組み合わせてスペクトルを観察するまでの話は以前の記事でまとめました。
アルマジロとThereminoMCAによるスペクトル入門(もどき)その1

順当に行けばベクモニを使用したベクレル定量なのですが、なかなかハードルが高いのと過去にロシア製2.5インチCsI(Tl)検出器を用いた記事を書いたことがあり基本的な方法は同じなのでそちらをご覧になっていただくとして、今回はアルマジロの計数率と線量当量率との関係を調べる事にしました。

測定方法ですが、Cs137線源、トリウムマントル、汚染土壌などの線源を用意し、CDのプラケースを積み重ねて線源と検出器のクリアランス変えながらHSFの示す線量率とアルマジロの計数率(cps)を交互に記録するというザックリとしたものです。
HSFは時定数1秒(移動平均5秒)の15秒間の平均値(下図はバックグランド線量を測定したキャプチャー画像)を記録しました。
20131224_212846.jpg

アルマジロはThereminoAudioInputのカウント出力をThereminoGeigerに入力し計数率(count per second)
の60秒間の平均を求めました。
ThereminoGeigerについては以前の記事を参照願います。
ロシア製2.5インチCsIγ線検出器(その5 ThereminoGeigerについて )
0059.jpg

結果を下のグラフにまとめました。横軸はHSFが表示した線量率、縦軸は同じ条件で測定したアルマジロの計数率(cps)を示します。
DoseRatevsCount.jpg
このグラフから1μSv/hの時の計数率が566cps cpmだと60倍して約33000cpm/[uSv/h]となります。
前回のロシア製CsI(Tl)検出器では計数率が高すぎてA/D変換器のサンプリングが追いつかず0.8μSv/h付近で飽和していましたが、アルマジロでは倍程度の線量率でも一応直線性が保たれているようです。
メーカー公称値は25000cpm/[uSv/h]ですが個体差を考慮しノイズマージンを安全側に見積もったと考えれば妥当な数値だと思います。
なので面倒な事が嫌いな方は25000cpm/[uSv/h]という係数でザックリ線量率を求める事が出来ます。(ただしその数値を個人としての判断に用いるには必ず出荷時に(簡易)校正された線量計との比較が必要です)

念のためですが、今回の実験は「校正」でも「簡易校正」でもありません。校正された機器との比較であっていわゆる「標準化」(もどき)であることはご了解下さい。(「校正」は任意の距離における強度が既知であるCo60やCs137のγ線を照射して行うもので、そうした設備を持ち校正証書を発行できる機関は限られています)

いずれにしろ計数率だけ見るとMrGammaの10倍以上の感度があり、いつもながらですが5mm角のP.Dでよくぞこれまでと思う位の集光率です。

ThereminoAudioInputは以前紹介したGMCLoggerのようにパルス波形を見ながらしきい値やデッドタイムを設定することが出来ませんが。ThereminoMCA自体がグロスカウントを表示してるので、カウント出力をThereminoGeigerに渡せばcpsやザックリ換算した線量率とスペクトルを同時に表示することが出来ます。
下図は同じ線源のアルマジロの出力をThereminoMCAとThereminoGeigerを併走させ同時に測定したものです。
tg7.jpg
Geigerの計数率が391cps MCAの計数率は358cpsと1割程度少なくなっています。条件(線量率)を変えて測定するとMCAのカウント数はGeigerに比べ1~2割程度少ないようです。これはGeigerが単純にパルスの個数を数えているだけなのに対してMCAでは分解能を確保するために「最小エネルギー」による足切りと「ベースラインテスト」の設定値にもとづいて波高値が正確でない一定の数のパルスをReject(捨てている)している為だと思います。(逆に言えばThereminoMCAの「エネルギーイコライザ」を使用しエネルギー範囲ごとに重み付けしたカウント出力が得られれば簡易的に「エネルギー補償」ができることになります。)

現状でも机の上に置いたアルマジロをNotePCに接続してThereminoGeiger,MCAを並走させれば一定時間間隔で線量率(cpm)とスペクトルを記録したり、siteにデーター(画像など)をUPできる「おうちMP(もどき)」が実現できますが、ここまで来ると移動測定(HSFもどき)に利用できないか?という欲目が出てきます。
前回の記事でも引用させていただいたtkimura6502さんの移動サーベイのtoggeterまとめですが

放射能測定器「アルマジロ」を徒歩移動測定に転用してみた。 

armadillo_survey.jpg

ノイズの正体を確かめる為に(kgFが設定できる加振機などというしゃれたものは持ちあわせていないので)「指ではじく」という原始的かつ野蛮な方法でアルマジロをいじめてみました。(故障の原因になるので真似をしても責任は負えません)

下図はアルマジロに接続したピンプラグの根本を指で弾いた際のスペクトルとThereminoGeigerのチャートです。(FIR-平均化時間は1秒に変更してあります)
TG09.jpg
ThereminoGeigerのチャートには指での打撃と同期してパルス状のノイズ(赤丸)が確認されています。

下写真は1インチCsI結晶と基板ですが、集積度の高い基板の両端に質量の大きい結晶とケーブルがぶら下がるとプレス打ち抜きのアルミケースでは剛性不足は否めません。ミニピンプラグ自体も計測器に使用するには役不足ですが、プロの技術者である大久さんには二百も合点な話でコストやバックキャビティなど実装を考慮した上での選択だろうと思います。
4469s_20131228125632793.jpg

開発者へのフィードバックと同時に(元々屋外移動測定は想定されていないので)ユーザー側で上蓋にユーザー側でもステンレスプレートを接着して補強する、ヘッドホンなどで使用されているL型のピンプラグと交換してホットメルトでケースに固定してしまうなどの手立てを取る価値はあるかもしれません。最低限コネクター部分に機械的なストレスをかけないようにする必要がありそうです。
すでにAudioCodecを組み込んだUSBケーブル1本で動作する「デジタルアルマジロ」が開発されていますが、この辺の問題がどうなっているのか気になるとことです。
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