子どもを放射能からまもる会in千葉
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ロシア製2.5インチCsIγ線検出器(その5 ThereminoGeigerについて )

(1)検出器の温度特性について-その2-
前回の実験では約11度の温度変化に対して21KeV(27ch)のドリフトが生じましたが検出器の断熱方法を試行錯誤しほぼ満足出来る結果を得る事が出来ました。
具体的にはCsI結晶回りを厚さ7mmの発泡スチロールで完全に覆い全体にスチロールシートを巻きつけてからアルミ蒸着シートの筒に封入しました。
断熱対策した検出器は下左写真の様に緩衝用を兼ねたプラスチックケースに収めてあります。(蓋の付くツールボックスを探したのですが適当なものがなく百均で購入した整理用のプラボックスを流用しています)
G3824.jpg G3825.jpg
  検出器の外観(左上)と校正時の室内温度(18.7℃)

室内温度18,7℃で前回と同様Cs137線源のピークを662keVにあわせエネルギー校正を行います。
c0min_137ref.png

その後、装置を屋外に移動して5分毎にCs137標準線源のスペクトル(ピーク)を記録しました。
G3831.jpg G3830.jpg
外気温は11.5℃(5分後)から8.7℃(50分後)まで低下しました。

下図は室内で校正した(棒グラフ)Cs137のスペクトルと50分後まで10回分のスペクトル(折れ線グラフ)のスペクトルを重ねあわせたものです。前回と同様に土壌、周辺環境のCs134のγ線により795keVにピークが出現しているのとCs137 の662keVの左=低エネルギー側が散乱線によって盛り上がっていますが温度ドリフトは無視出来る範囲に収まっています。

CsI_Temp_test.png
宇都宮さんから助言をいただきましたが要は熱的時定数を大きくして本体の温度変化を温度補償回路が追従できる速度に押さえるというのがキモかもしれません。
グロス計数率は
屋内(0.04μSv/h)→435.2cps
屋外(0.08μSv/h)→511.5~519.6cps ですが、計数率の温度依存性の確認には同じバックグラウンドで温度のみ変化させて測定する必要があり、今回の結果では不明です。

(2)ThereminoGeigerについて
ロシア製CsI検出器が可搬型スペクトロメーターとしの使用できる見通しがたったのでサーベイメーター(線量計)としての使用方法について検討しました。
ThereminoGeigerThereminoMCAと同じサイトで配布しされているGM管、シンチレーターなどのパルス信号をカウントしてμSv/hやμR/hに換算、表示するソフトウエアです。
・線量当量換算表示
・時系列グラフ(エラーバー表示つき)
・Log出力
など一通りの機能を備えていますが、アナログメーター(下図右)を備えているのがユニークな点で、メーターの動きを見ているだけで飽きません。
TG01.jpg

ログ出力のフォーマットは以下の通りでExcelなどで読み込めるCSV形式なのでGPSのデーターと「ガチャコン2」で連結して「7色プロットツール」でマップ化するのもそれほど難しくないと思います。

---------------------------------------
Session started at: 2013/01/28 20:19:53
---------------------------------------
FIR Seconds: 10
Sensor type: Counter
Sensor Sens.: 4000.00
Sensor BKG: 35.00
Sensor Dead-time: 0
---------------------------------------
DATE TIME CPM uS/h
---------------------------------------
2013/01/30;7:19:53;03138.000;00000.040
2013/01/30;7:19:54;03132.000;00000.043
2013/01/30;7:19:55;03192.000;00000.043
2013/01/30;7:19:56;03156.000;00000.046
2013/01/30;7:19:57;03096.000;00000.044

 当初センサーをマイク入力に接続しても動作しないので?でしたがGCMLoggerとは異なり、閾値の設定やパルスのカウント(不感時間の設定)などのプリプロセスはThereminoGeigerに含まれていないのでThreminoAudioInputという別モジュールをインストールする必要があるようです。(ThereminoGeigerにもDeadTime=不感時間の設定項目がありますが...もしかしたらTheremino独自のハードウエアならThereminoGeiger単体で動作するのかもしれません?)
TmnAI.jpg
最初にThreminoAudioInputを立ち上げてバーメーターの振れを見ながらTriggerLevel(しきい値)とDeadTime(1パルスカウントした後の不感時間)を設定します。GM管の場合は単純にノイズレベルの2倍程度に設定すればよいのですが、シンチレーターの場合はエネルギー(核種)とパルス波高との間に相関があるので、しきい値を上げ下げするとカウントするエネルギー範囲も変わり、計数率と直線性に効いてきます。
(左側のOutputSlotsですがThereminoのアプリはスロットという概念(仮想コネクション)を通じて信号のやりとりをしているようなのでアプリ間でスロットナンバーを合わせる必要があります)

いよいよThereminoGeigerを起動させますが、最初にSensorTypeから適当な検出器を選択します(SBM-20×4やLND-712などのGM管が並んでいますが今回の場合は「PMT NaI」を選びます)
あとは左ペインの「Option」タブを開いてInputSlotsやSens(換算係数)を設定しますが詳細は略します。 
手始めにCs137標準線源や土壌試料を用いて同位置におけるMrGammaの表示する線量当量率とロシア製CsI検出器のカウント数を測定、比較しました。
MrGamma
(uSv/h)
RussianCsI
(cps)
0.040 63
0.053 87
0.067 104
0.086 130
0.112 194
0.133 214
0.246 348
0.311 443
0.481 756
0.842 1007
1.480 1047
1.835 1528
下図はデーターをExcelでグラフ化したものです。(横軸:MrGammaの表示値 縦軸:CsI検出器の計数率)
※1.8μSv/h時のデーターが落ちていましたのでグラフを差し替えました(2013.2.2)
Mg_RC.jpg
一見して直線性が悪く、0.8μSv/h以上でカウント数が飽和しているのがわかります。
もともと付属のドキュメントでは

2.  Sensitivity and load.
63*63mm CsI(Tl) scintillation detector have very high sensitivity: around 160 000 pulses per minute to microsievert per hour. It is normal that in typical gamma radiation background (0.1 uSv/h) you will see 250-300 counts per second, or  – 15 000 – 18000 counts per minute.
ADC sampling rate is limited to 44100 Hz, so more than 1000 counts per second load is not recommended.

とありますので、検出器内蔵DACのサンプリング周波数で律速になっているように見えます。(0.8μSv/h付近で1000cps=60000cpm超え)
下図はThereminoDaa(DigitalAudioanalyzerでのパルス波形ですが、積分時定数(パルス幅)もサンプリング周波数に合わせて設定されていると思います。
PMT_pluse.png

とりあえずこの状態で家の周りを歩きまわってデーターを取ってみました。
G3836_20130201221848.jpg G3841_20130201221849.jpg

直線性を改善するには
・アナログ出力を取り出してハイレートでサンプリングしてPCに取り込むかハードウエアコンパレーター→高速カウンターが思い浮かびますが検出器の改造は素人には荷が重すぎます。
・cpmで記録してソフト的な変換テーブルを使って線量当量に換算する。
あとは何らかの方法(タングステン、鉛などの)遮蔽によって計数率を落とすことですが...あまり良い知恵がありません...うーん。

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