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ロシア製2.5インチCsIγ線検出器(その4)

今回はロシア製CsIγ線検出器の温度特性を調べるため簡単な実験をおこないました。

温度特性と言っても「計数率(感度)の温度依存性」を1度刻みで測定しようとすると、それなりの仕掛けが必要になり途方に暮れますが、室内外の温度差を利用して定性的なデーターを取るならそれほど苦労はいりません。

1)実験方法
前回と同様に発泡スチロールシートを巻きつけた検出器をアルミ蒸着シートの「保冷バッグ」に入れて室内(19.9度)でCs137標準線源で校正した後、屋外に持ち出して10分毎にCs137のピークのズレ(スペクトル)を記録しました。(検出器の手前は温度計)
3723.jpg

2)エネルギー特性と温度勾配
下図(スペクトル)の着色部分が室内で662KeV(395ch)校正した際のピークで、屋外に持ち出して10分、20分、30分、40分、50分後の結果と重ねあわせたものです。
Out_all.jpg

温度変化ですが19.9度(室内)から12.4度(10分後)、10.2度(20分後)最終的には8.5度まで低下しました。(最大11度程度の差)ですが、最初の10分で21KeV(27ch)ズレた後はピーク位置はほぼ一定しています。原因は推定するしかありませんが温度補正回路や断熱材の効果で平衡状態になったのかもしれません。(ただし温度補正回路はスペックにもありますが1℃/分の様な温度勾配には追従できないと思われます)

3)計数率について
室内(Cs137 標準線源での校正時)のグロスレートは398cps、屋外では523,534,533,531,525cps(10~50分)となっていますが理由は簡単で、空間放射線量率が0.04→0.08μSv/hと上昇しているからです。
BG2.png  
上図は下から【室内でのバックグラウンド】【屋外でのバックグラウンド】【屋外でのCs137線源+バックグラウンド】のスペクトルを重ねあわせたものです。
屋内(鉛遮蔽体内)での測定結果よりエネルギー分解能も低下している様に見えます。

4)まとめ
・断熱材を使用しても11度の温度変化で21KeVの温度ドリフトが生じた。
・温度ドリフトの方向は低温側シフトで 印加電圧の増加=ゲインの増加方向と同じ

今回は塩化カリウム線源による比較を行なっていませんが、上記結果から高エネルギー側ほどズレの絶対量が大きくなると思われます。
また、断熱材を使用しない状況との比較も行なっていませんが、この検出器を「裸」で使用するのは推奨出来ないからです。
室内←→室外、車内←→車外の様な温度差の大きい環境で使用する場合、精度的な問題以外にも結露による高圧部のリークがあり、半導体検出器でもCdTeの様に高圧のバイアスをかけるものも要注意だと思います。

あと、屋外測定の場合には測定時の温度を記録するかチェックソース(標準線源)の持参も必要かもしれません)


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