子どもを放射能からまもる会in千葉
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ロシア製2.5インチCsIγ線検出器(その3)

(1)ベクモニによるエネルギー分解能(FWHM)の確認
前回の実験ではThereminoMCAを用いましたが今回は常用しているベクモニ0.98でセシウム標準線源(662KeV)の半値幅(FWHM)を確認しました。
MIMG3645.jpg
簡易鉛遮蔽体と珪素鋼板によるCsI検出器の磁気遮蔽カバー(テーパー部はきちんと展開図を書かずに加工して大失敗)

137std_shield.jpg
上記の珪素鋼板使用磁気シールド装着時のCs137標準線源のスペクトル
 
cs137_msh1.jpg
FitzPeaks NaIによる上記データー(CSV)のフィッティング結果。分解能(FWHM)は8%台前半でThereminoMCAの結果と大差はなく、分解能の向上はshaping方法の違いではなく磁気遮蔽によるものと考えてよさそう。

Soil2_Mgsh.jpg
同条件での汚染土壌(2000Bq/kg-350ml)スペクトル、605、662のピークが一応分離


(2)磁気遮蔽と光子エネルギーvsPMT出力電流の直線性について

順序が逆になりましたが地磁気をふくむ環境中の磁界からのCsI検出器(PMT)の影響を確認するために標準線源を用いて無遮蔽状態の特性を測定しました。
CIMG3715.jpg
木造一階床中央に丸椅子(h=40cm)を置き検出器をルーレット方式で90度毎回転させながらCs137 標準線源と塩化カリウムのピークチャンネル(スペクトル)を測定、記録しました。(巻いているのは海苔ではなく温度ドリフト対策の発泡スチロールシート)

1)Cs137標準線源
No_Shield_137all.jpg
検出ヘッドを「北」方向を向けた状態でCs137標準線源のピークを利用しエネルギー校正を行います。計測時間は各ポイント約2分 東西南北は方位磁石を参照した厳密なものではありません。
W方向に特異点がありN方向と最大65ch(120KeV)のズレが発生。

2)K40 標準線源
No_Shield_40cm_KCL_all.jpg
Cs137と同じ要領で測定した塩化カリウム(K40)スペクトルの変位。(測定時間5分)Cs137(662KeV)と同様にW方向に特異点がありN方向と最大143ch(263KeV)のズレが発生。

3)測定結果まとめ
662KeV(Cs137)、1460KeV(K40)の校正時(N方向)のチャンネル(数)で規準化した各方向での変位の割合を下図グラフで示します。
NS_CsK.jpg

これを見ると変位は最大17%程度で662、1460KeVにおいてほぼ同等であることから「オフセットドリフト」ではなくゲイン(傾き)の変動であると思われる。
W(西)方向にはデーターを採取したPCなどが配置されているが原因の追求はそれほど重要ではないと考えています。(要は遮蔽すれば良いから 下図参照)
Shield_40cm_137all.jpg
上図はCsI検出器に珪素鋼板磁気遮蔽カバーを装着してCs137 標準線源での4方向でのスペクトルを重ねあわせたものでピークのズレはほぼ無視できる範囲に収まっています。

結論
・予想以上に磁気遮蔽の有無の影響は大(温度ドリフトの比ではない)
・たぶんPMTの電極(ダイノード)構造や接続方法(プレート接地-カソード出力orカソード接地-プレート出力)により影響度合いは異なる(要検証)
・計数率(グロスカウント)は方向にかかわらずほぼ同等
・少なくともこのロシア製CsI検出器を野外サーベイ&スペクトロメトリーに使用するには磁気遮蔽が不可欠(遮蔽なしでは使い物にならず)、ベクレルモニターとして直立させ位置を固定する場合も要注意

(3)追加情報
鍋CADVer7(Free版)によるCsI検出器外形図(現物から百均のプラ定規で寸法取りしたもの)
nabeCAD_Russian_CsI.jpg

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