子どもを放射能からまもる会in千葉
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作ってまなぶ?放射線(ガンマ線検出器) その3 線量計の試作

(1)空間線量計測ソフト GMov(Windows用試用版)

前回の記事で自作した検出ヘッド(秋月シンチ+フォトダイオード)とプリアンプの空間線量計への流用という話をしましたが、要は検出器(シンチレーターならガンマ線が検知した時に発する蛍光)が出す電気信号(パルス)の数を数えて適当な係数を掛けて線量当量(μSv/h)に換算すれば良いわけです。

と言うのは簡単ですがプログラム(コード)を書くスキルがない、スマートフォンも持っていない身としてはPCで動作する既存のソフトを探すのが先決です。

そこでまず思いついたのが以前紹介した名前の通りガイガーカウンター(GM管)をターゲットして開発されたGMCLoggerです。パラメーターを(本当に)適当に選択すると下図の様にシンチレーターからのパルスを数えて1分おきに集計(cpm)してくれるので、それだけでも十分なのですが、欲を言うと線量当量が143μSv/hとか恐ろしい数字になっているのは「換算係数」が「1」以下に設定できないからです。(文字通りカウント数がGM管とは桁違いのため)訂正記事を書きました)

GMCLogger.jpg

話が前後しましたが、今回の測定は以下の機材を使用しています。
検出ヘッドCsI(Tl)シンチレーター(1cm角 秋月電子)+S6775(浜ホト)
プリアンプ自作
USB音源ENERMAX  AP001(48K  16bitサンプリング 96kサンプリングではGMovがカウントしませんでした)

Si PINフォトダイオードの検出部とスマートフォンのマイク(AUX)入力を利用したiPhone、Android対応の計測アプリはPocketGeiger用をはじめGeiger BotやGMovなど多数ありますが(しつこいですが)スマートフォンを持っていないのでは手も足も出ません。
ところが時々拝見しているチャッピーさんのブログでGMovのPCでのスクリーンショットらしきものを見かけたのでさっそく調べてみました。

GMov は(株)K&F Computing Researchが販売しているPINフォトダイオード検出器と一緒に配布されているソフトウエアです。(iPhone用は無償)
gamov_ipod.jpg

配布されているWindowsPC(intel x86)用GMovはあくまで「試用品」で正式にサポートされたものではありません。現状では簡単なドキュメントだけで「取扱説明書」もありません。iPone用GMovの取説はありますが、画面構成や操作はかなり異なっているので参考程度と考えてください。
というわけで利用される方は以下のK&F Computing Research社のHPで免責事項など確認の上Your Own Risk でお願いします。

K&F Computing Research Co. HP

したがってアプリの説明は、とんでもない勘違いをしているかもしれないので書いてある事はあまり信用しないでください。
設定値(パラメーター)の調整の為にMrGammaやエアカウンターSとの比較を行いましたが、あくまで「現物あわせ」です。(日立アロカのサーベイメーターと標準線源を使用した「鳴き合わせ」は「標準化」であって「校正」ではありません。)

最終的にfixした条件で実際にバックグランドや線源をを測定したのか以下の結果です。
GMov6.jpg
GMov+秋月シンチ(1cm) バックグラウンド 0.05μSv/h

アプリの画面は6画面のタイル構成になっていて左上の左側の数値がカウントレート(cpm)と線量当量(avg=移動平均?)ですが時定数などは不明です。(右側が積算カウント数 その下の線量当量は?)

SOUND LEVELはrms(実効値)とMax(尖頭値?)でMic Input を[m]キーでゲインをデクリメント(減少)[M]キーでインクリメント(増加)させると変化します。(アプリ付属のReadme-j ではrmsが1.5%以上になるようにするようにMic Input を調整するよう指示があります)

右上段が信号モニターで黄色の線が 「しきい値」で左下段のThresholdを[t]キーでデクリメント[T] キーでインクリメントすると増減しカーソルが上下に動きます。先ほどのMic Input とThresholdとの組み合わせでカウントレートが決まるのですが、この辺は試行錯誤です。(rmsの2倍をしきい値にしましたが特に根拠はありません)
た ぶ ん cpm→μSv/hの換算係数が「Slope」 ではないかと思いますが、設定値を変更したら「r」キー(Reset)を押して反映させ数値の変化をみます。

上の設定だと 828cpm/[μSv/h]  つまり828カウント/分で1μSv/hになるようです。
WINDOWS-PCとの接続完成、ネットワーク化

1cm角のシンチですがざっくりエアカウンターSの28倍の感度です。(7/25追記)

左中段のグラフは実カウント数(cpm)、カウント数の移動平均、カウント数の積算値の時間経緯(横軸)を示したもの(最小目盛60秒)で非常にわかりやすいもので、これだけでGMovは「買い」です。

なおエアカウンターSは0.05μSv/h以下の数値がでないのでバックグラウンド測定についてはMrGammaを使用しました。

SMG2618.jpg
MrGamma バックグラウンド  0.045μSv/h 

Cs137標準線源
GMov4.jpg
GMov+秋月シンチ Cs137標準線源 0.34μSv/h(0.30)

SIMG2625.jpg
エアカウンターS セシウム137標準線源 0.36μSv/h

左側のアルミテープを巻いたものが1cm角のCsIシンチレーターです。


トリウム線源(マントル)
GMov5.jpg
GMov+秋月シンチ マントル(トリウム線源)0.95μSv/h

SIMG2629.jpg
エアカウンターS マントル(トリウム線源)0.94μSv/h

結果をざっくりグラフにしてみました。
akizukivsEC-S.jpg
エネルギー校正補償など洒落たことはしていませんが、一応使えるレベルには達しているように見えます。
あとは検出ヘッド、アンプ、電池を一体化してケースに収めて持ち歩けるようにしてタブレットPC(スマートフォン)と接続すれば屋外使用も十分可能だと思います。
GMovの時間経過グラフを見ても線量変化を検知(立ち上がり)が非常に早いので、数値は多少いい加減でもマイクロスポットを手早く検出してポイントごとの正確に線量はMrGammaやエアカウンターで測定するといった使い方を想定しています。

現在の検出部はスペクトルが取れる様に分解能を重視してシンチレーターの発光強度と出力電圧が対応するように「比例計数モード」で試用していますが(パルス幅は100μSec程度)空間線量測定に特化してパルス数を数える「計数モード」ではそこまで必要ありません。

無理に帯域を延ばさず出力パルス幅を広く(整形)して安定して検出できるようにする、USB音源のAGC(AutoGainControl)を利用してノイズを圧縮するなどの処理が有効かもしれません。

<参考資料>
Horiba Technical Report 「ヨウ化セシウムを使った放射線サーベイメーター (PA-100)」


(2)1cm角CsIシンチレーターについて

1cmシンチレーターといっても前々回の記事で使用した5mm角と大きな差があるわけではありませんが、今回経時変化や信頼性からフォトダイオードとの接着はUV硬化型接着剤「ピタガラス」を使用しました。
CsI結晶はNaI結晶ほどではありませんが潮解性(空気中の水分を吸収して溶解する)があるので水分と反応する接着剤は好ましくありません。(特に瞬間接着剤を使って「白化」したら目も当てられません)

SMG2617.jpg
右上が1cm角のCsI結晶と接着するフォトダイオード、右下が日亜化学の紫外線LEDです。

SIMG2622.jpg
上記の様にCsI結晶は潮解性と若干ですが毒性があるので素手で触らず「ピタガラス」を塗布したらクリップで固定して紫外線をあて硬化させます。(念のため30分程度照射 幻想的で思わず見とれてしまいますが直視すると危険です。)

1cm角シンチレーターの実力は後日確認したいと思います。

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