子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

放射能の農畜水産物等への影響についての研究報告会に参加しました

本日(2月18日)東大本郷(安田講堂)で開催された第2回放射能の農畜水産物等への影響についての研究報告会に参加してきました。

seminar2.jpg

昨年11月に引き続いて2回目ですが参加するのは今回が初めてです。
講演内容や要旨は東京大学大学院農学生命科学研究科のHPをご覧下さい。
昨年の第1回研究会での講演の内容は動画でも確認できます。

放射性セシウムのイネへの移行(第2報)[要旨]
水田における土壌から稲への放射性セシウム移行のメカニズムについて [要旨]

TokyoNP20120219.jpg

当日の講演内容の音声ファイルをDropBoxにアップロードしました。後日訂正などがある場合はテロップ入りの動画が主催者から公開されるますが、それまで暫定で公開します。また当事者からのクレームなどある場合は消去しますのでご了解の上ご利用下さい。

根本、塩沢講演内容20120218.mp3 72.5MB

根本先生の講演要旨をメモをたよりに補足すると
  • 80Bq/kgの玄米を育生した水田の土壌セシウム量が160Bq/kgという例があり、通常考えられている土壌からの移行だけでは説明がつかない。
  • 水耕栽培での水0.2Bq/kgにおける稲体への移行に相当する土壌セシウム濃度は1万Bq/kg
  • 稲が根から吸い上げるのは可溶性セシウム
  • 土壌が低カリウムの水田は用水からカリウムが供給されるので収支は合っている。
  • 土壌のカリウム量と稲のセシウム吸収は相関なし
  • セシウムに対しては環境循環型の水田生態系の利点が弱点になった。
  • チェルノブイリの知見では不足、アジアモンスーンをベースにした農学へ

根本先生のお話を引き継ぐ形で塩沢先生のお話がありました。内容は要旨に詳しいので簡単に触れますが、個人的には最も関心をもった内容です。
水溶性のセシウムが土壌に捕捉されずに根まで届いたのがどうしても謎だったのですが、8月(稲穂がつく)頃分解した有機物から水中に移行して浮遊しているセシウムが土壌に固着する前に「うわ根」が吸い上げたという説明は、非常に説得力のあるものでした。
(地表面に張り巡らされたきのこの菌糸がセシウムを吸い上げて非常に高い移行率を示すのと同様のメカニズムと推定されます)

ただし根本先生のお話の中で現地で収集した枯葉、わらなどの有機物を熱湯、薬品(硝酸)などで処理してもセシウムはほとんど溶出しないという、ある意味で矛盾する結果が紹介されていましたが、有機物とセシウムの固着状態、有機物の分解によって可溶性のセシウムが生成するメカニズムの説明が少し弱い気がしました。
うわ根
JA北魚沼稲作情報より転載

このように稲のセシウム量に水が関与している事はわかりましたが、外から引き込む用水を減らせばセシウム量が減るわけではないようです。前日の記事の水中の放射線量測定でも流速の速い部分は線量が低く、よどみでは線量が増加するように、基準値を超える玄米が検出された水田は積極的に用水を利用しなくても降雨だけでもまかなえる様な「浸透量」が少ない水田だったという調査結果も紹介されていました。

このように自然条件に寄り添い巧みに利用することで成り立ってきた、営農家一軒一軒、水田一枚一枚条件の異なる農業だからこそ、原発事故で取り返しのつかない打撃を受けたとも言えます。

私たちが農業(米作)ももちろんですが、こうした研究に関心を寄せているのは、除染不能な山林が溜め込んだ膨大なセシウムの動向に密接に関連するからです。

土壌や有機物(枯葉、根など)に固着したセシウムは梅雨や台風の大雨、雪解け水などで少しづつ削り取られ水中に溶解するか微粒子となって移動し、一部は水源地に、一部は河川(河床)で滞留、濃縮し最終的には海に流れ込む、その過程は数十年単位で継続するとのではないかと考えています。
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