子どもを放射能からまもる会in千葉
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ガイガーカウンター(β線)についてのご質問について

メールでRADEX1503を使用してご自宅周辺の放射線量を測定している方からご質問をいただきました。
α線、β線、γ線などの基礎的な説明は良いサイトが沢山ありますので素人談義は省略して、ガイガーカウンターによる計測に関わる部分について判る範囲でお答えします。

1)「『ガイガーカウンターはβ線をひろうので、高めな数値がでる』という説明を聞いたが本当か?」

ガイガーミュラー管はβ線に対して高い計数率を誇りますが、β線は10m程度飛ぶと言っても貫通力が弱いのでガイガーカウンターのプラスチックやアルミのケース、さらに言えばGM管自体のシールドによっても遮蔽されてしまうので「全部を拾う」わけではありません。

rd1008_32.jpg 逆に積極的にβ線を拾うならGM管を「むきだしの状態にしないといけないので、TERRAではGM管を覆っているシールドプレート(ステンレス製)を外すようにマニュアルで指示しています。

左の写真はRADEX1008の裏面のシャッタープレートを開けた状態で、虹色に見えるのがマイカ(雲母)膜だと思いますが、非常に薄く湿度にも弱いので破損しやすく要注意です。
(写真の 引用元サイト )

つまりガイガーカウンターでβ線を拾うにはそれなりの機械を正しく使用しなければならないということです。



日本でもユーザーの多いロシア製ガイガーカウンターSOEKSが「平均リセットして突然高い値を出す現象」もβ線の検知とは無関係で線量当量換算プログラムの平均化ルーチンの問題の様なのでユーザーの方は是非リンク先の記事を参照して下さい。(「ポワソン分布って何?」という方は三重大学奥村先生の解説も)
ことほどさように「β線を検知する=測る」というのは簡単な話ではありませんが参考になるサイトを紹介します。
放射線の測定β
上記サイトの
放射能基礎統計学は線量計の測定原理を理解する上でも重要だと思います。

「ガイガーカウンターの表示が高め」といわれる原因に、ガイガーミュラー管はラドンの様な自然核種の影響を受けるからだという見方もありますが、真偽はわかりません。
ただし確認する方法は簡単で、「線量計を遮蔽したときの最低値を確認」すればよいはずです。

CIMG1316.jpg

上の写真は以前の記事で紹介しましたが防災用の水バックで取り囲んだ「擬似水没法」で0.013μSv/hまでバックグラウンドを下げることができました。(写真を撮るために遮蔽を外すとどんどん表示値が上がります)
手っ取り早いのはダイバー用の防水ケースに入れて風呂桶に沈める方法ですが、なかなか度胸がつきません。

以前紹介した611GCMの校正データーでは鉛ブロックを使用して自己ノイズを測定した例がありますがシンチ(HoribaRadi PA-1000 )と比較するとガイガーカウンターの場合0.04~0.07程度「下駄をはいている」と考えた方が良いかもしれません。
まもる会でも「ガイガーミーティング」を開催してシンチ(MrGamma)とGM管との比較を行ってきましたが原理的にβ線を拾わないMrGammaの方が地表部分で高い表示値を出すことも多く一筋縄では行かない様に思います。

2)セシウムはβ線も出していると聞いた気がするが、拾わない理由がよくわからない」

基本的にセシウム137、134とも「β核種」なのでβ線を出します。セシウムがβ線を出す過程を「β崩壊」と言いますがセシウム137ならその娘核種がγ線を出します。(Ba137m)

原子力資料情報室 放射能ミニ知識
セシウム137

Cs134がβ崩壊してできる娘核種は6種類ですがγ線の放出率が高いものだけでも3種類もあります。

放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説
セシウム 137 とセシウム 134

食品の放射能検査で微量のセシウム量(γ線)を定量するのが難しいのはCs134が関係するからですが
「β線を拾わない」のは、Cs137(またはCo60)で校正された線量計でβ線を拾うと10倍近い値を表示しますが、空間放射線量率(線量当量)はγ線で表示するというお約束になっているからです。(その線量計だけで考えれば意味のある数値だが他との比較が出来ないという事です)

ではこうしたβ線(地表や車両、建物、人体などの表面汚染)の評価についてですが、千葉市の担当者なども「表面汚染を測っても空間線量と比較できないから評価する基準がない」などと頓珍漢ななことを言うので困ってしまいますが

放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法)、電離放射線障害防止規則、労働安全衛生法などで規定される「放射線管理区域」は

核種ごとの表面密度限度
α線を出す核種4Bq/cm24万ベクレル/m2
それ以外の核種40Bq/cm240万ベクレル/m2

の1/10を超える可能性のある区域という規定があり、セシウム137相当で考えると4Bq/cm2≒1,000cpmとなり、管理区域から持ち出し可能な物品の表面汚染度もそれにならいます。

GMSV.jpg SilconSV.jpg

GM管サーベイメーター    半導体サーベイメーター

こうした「表面汚染」を測定するには「GM管サーベイメーター」や半導体検出器を使用した「表面汚染計」 が必要ですが、そのそも装置の校正方法自体がγ線を測定する空間線量計とは全く違います。

スクリーニング(表面汚染度)レベルについては原子力安全委員会が事故直後の13,000cpmから一挙に100,000cpmに引き上げ9月16日以降再び13,000cpmに戻した経緯があり混乱が生じているので千葉市の担当者が理解出来ないのも同情すべき点はあるわけですが。(牛のスクリーングでの内部被ばくが推定できるとう誤った使用方法がが大失敗だったのはセシウム牛肉問題であからさまになりました)

簡易的にはγ線量計で建物の屋根、壁や地表付近を測って表面汚染度をある程度推定する事は可能ではないかと思いますが…本筋はGM管サーベイメーター(表面汚染計)での計測です。(個人で入手できる価格ではありませんが)
安価なガイガーカウンターでも「β線が測れる」というものもありますが、正直どの程度の精度なのかわかりません。(データーをお持ちの方、所在をご存知の型は是非ご紹介下さい)

あと左のリンク集にガイガーカウンター関連のサイトをまとめましたので良ければご利用下さい。
個人的にもガイガーカウンターは1台くらいあっても良いと思っていますが「β線がはかれる」と言われるものは高価で、PCに接続してデーターを吸い上げられる機種も限られているので思案中です。


参考資料
放射能測定シリーズ1 全ベータ放射能測定法

日本アイソトープ協会 「やさしい放射線測定 -誰もが正しく測定するために」(入力フォームに「個人情報」を入力するとダウンロード可能になります。

表面汚染の検査に多く用いられる大面積端窓型GM計数管の表示値と表面汚染密度の関係

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