子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

文科省モニタリング(6)県とセシウム拡散量シミュレーションなど

この間連続して調査結果の記事を書いてきましたが、世の中の動きについていけなくなるので(それだけ動きが速いのですが)この間の話題についてかけ足でまとめる事にしました。

(1)文科省航空機モニタリング(6県)
岩手、静岡、長野、山梨、岐阜、富山6県の結果と新潟県など公表済みのデーターの訂正を含む非常に長い題の資料が公開されています。
文部科学省による、岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県の航空機モニタリングの測定結果、並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について(平成23年11月11日)(PDF:4037KB)
mextmonit.jpg

この資料には「有意な放射性セシウムのエネルギースペクトルが検出されていない地域における
放射性セシウムの沈着量の評価方法」という同じく長い題のレポートが付属しています。
簡単に言うと岩石に含まれる自然核種(ラジウム等)と東電原発由来の核種(セシウム137、134など)の判別と定量化についての問題で、食品検査におけるCs137+134とK40(カリウム40)と似た話です。
新潟県魚沼地方などは再計算の結果、大幅に変更されていますが、元々関東ローム層で自然核種の影響が小さい千葉県については従来通りと見ています。

今後の文科省のモニタリング予定ですが福井、石川、愛知以西の予定はなく、4次モニタリング計画では再び福島に戻るようです。(これより先は影響なし、あるいは無視と宣言?)

誤解の無いように書いておきますが、文科省も「1万ベクレル/m2」なら安全とか「普通」とか言っているわけではありません。他人の考えている事を推測するのは不遜かつ困難ですが「このくらいは仕方がない」という程度に考えているのかもしれませんが、ベタに塗られた同一領域内にも濃淡差があり、これから先の話をするには地上での空間線量や土壌調査が不可欠です。


(2)ノルウェー大気研究所などによるセシウム拡散(沈着)予想について
日本政府(保安院・原子力安全委員会)が公表している東電原発の放射性物質の放出量についてはノルウエー大気研究所がネイチャーに発表した論文などでも疑問視する声が高かったのですが、今回同研究所が日本の研究者との共同研究でセシウム137の拡散(沈着)予想マップを公開しています。
CNNjp 福島原発のセシウム拡散状況、研究チームがシミュレーション

Cs137.jpg
アメリカ科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された原文はこちらです。
Cesium-137 deposition and contamination of Japanese soils due to the Fukushima nuclear accident

私も含め「英語が苦手」の人は多いのですが、インターネット上で公開されている原資料の図版を「足切り」して改変した図版を堂々と掲載し「無断転載、複製禁止」などと書いている大手新聞社もあるので、図版だけでもオリジナルを参照しておく必要があると思います。

西日本といえども「無傷」とは言えないというのはつらいですが、中国、四国ともセシウムが沈着したのは山間部のようで「土壌調査プロジェクト」による西日本土壌調査結果を見るかぎり居住区、農地などは軒並み「ND(不検出)」となっています。

朝日地方版 放射性物質 高山市立全小中・幼稚園で測定

「土壌も調べなければ安全とは言えないという声」に応えた高山市当局の見識は賞賛に値します。
(一般入札という手法で43検体で50万という「お金の使い方」にも感心しました)


あと、テーマ違いで申し訳ありませんが下のグラフは「守る会in千葉」が使用しているClearPulse社の線量計MrGammaのアナログ出力をパソコンに取り込んで汎用MCAソフトで簡易的に核種の判別を行ったもの(CSV形式で出力、Excelで描画)で、試料は花見川区内の道路上、庭などから採取した土壌2種と比較のためのカリウム塩(やさしお)です。

縦軸(計数率)横軸(エネルギー)とも校正されたものではありませんので、あくまでも「中学生の夏休み自由研究」レベルです。(遮蔽が不十分でバックグラウンドも0.03μSv/h程度あります)

CspluseK40
ただし、ゲルマニウム半導体やNaIスペクトロメーターで核種の同定、定量化された試料を使って比較が可能になれば土壌放射能量についてはある程度推測できるのではと(少し)期待しています。

あと、1~2mm程度の鉛シートでは大して役に立たず「人が周りを歩いただけで針が振れて」しまいますが1.5L のペットボトルを満水にして積層した「水ブロック」の方がγ線の遮蔽効果が高いことがわかりました。(かさばるのが難点ですが費用はほぼゼロ)

CIMG1311.jpg CIMG1316.jpg
ペットボトル(水)の簡易遮蔽 バックグラウンド 0.05→0.02μSv/h(脇は防災用水パック)
(追記)
土壌試料はそれぞれ200gでMrGammaで0.3μSv/h(CS1)0.18μSv/h(CS2)を表示する、千葉市内でよく見かけるごくありふれたものです。他のデーターから土壌放射能量は1000~5000Bq/kg程度ではないか推測しています。有機物を取り除きよく乾燥させた土壌はくり返し使用できるので、ゲルマなどで放射能量が定量できれば少なくとも「標準線源」として利用できるかもしれません。

ClearPulse社からアナウンスされていたMrGamma用のMCA(核種判別システム)A2702が発売されましたが、CsI(ヨウ化セシウム)シンチでは上記のデーターの様にエネルギー分解能にそれほど期待が持てないことと価格が230,000というのか .....。

参考
スペクトル分析環境の構築(遮蔽容器編)
スペクトル分析環境の構築(PRA編)
遮へい材の厚さと放射線の減衰値(単位:cm
(by otto)




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Comment

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2011.11.19 15:34 | | # [edit]
Re: こちらから失礼します。
> コメントありがとうございます。各地で活動が始まっていますね。どこも放射能の問題を話すのがはばかられる雰囲気というのは同じです。でも行政や国を待っていては子どもたちを守っていくことはできないと思います。八千代の皆さんのブログも拝見させていただきました。私達も情報の共有など力をあわせていきたいと思っているところですので、よろしくお願いします。
2011.11.20 13:26 | URL | 長谷川弘美 #- [edit]

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