子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

横浜、船橋などのホットスポット問題の簡単なまとめ

(1)横浜市で検出されたSr90
産経「危険性判断できない」横浜市、新たにストロンチウム検出で国に調査要請へ

朝日 横浜でストロンチウム検出 100キロ圏外では初

例のごとく新聞記事でははっきりしないのですが記事で言っているストロンチウムとはSr89(半減期55日)とSr90(半減期29年)の合計量ではないかと思います。早速「Sr89が出ていないから過去の核実験の降下物だ」と言っている方もいるようですが、確かに成層圏まで拡散した過去の核実験の「死の灰」は未だに浮遊、降下していますが横浜の築7年のマンションの屋上や横浜アリーナの噴水でSr90だけとしても、これだけ有意に検出されるなら「日本国中ストロンチウムだらけ」でも不思議ではないような気がします。(※)

東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質に関する試算値について 原子力安全・保安院
下の表はその抜粋です。
Cs,Sr放出量

これを見ると半減期55日のSr89の放出量はSr90の約14倍なので200日で16分の1になっても比率として0.9:1程度のはずです。(横浜市が何故時間が掛かってもSr89,90を分離して評価する分析をしなかったのか不思議です。)

これまで書いてきましたがセシウム化合物のマクロ的な物性については二本松の米の問題や都市部のホットスポットのできるメカニズムにしろよく判っていないのですが、ストロンチウムについてはなおさらです。つまりどのように濃縮したのかが判らないと数値だけ見ても判断できません。

下の表はセシウム合計量とストロンチウム90の放出量比率を上の表から求めたものです。
  1号機 2号機 3号機 合計
Cs合計vsSr90比率 4.7% 0.2% 5.6% 0.4%
Cs合計vsSr89+90比率※ 8.6% 0.3% 10.5% 0.8%
※Sr89については放出量を半減期で補正した現在の値です。

今回の場合セシウム(Cs134,137合計?)が6万3千ベクレル/kgなのでザックリ計算すると
 195/63000=0.3%  (195Bq/kgの半分がSr90だとすると0.15%程度)別の試料だと
 239/105600=0.2%
となり2号機の放出比率と、なんとなく一致してしまいますが、比較的薄いものがそのまま到来したのか、濃いものが拡散して薄くなったのかは仮定に仮定を積んだ話なので判断はできません。
放出、拡散経路の問題はstudy2007氏早川マップと関連付けて考察していますので興味のある方は参照して下さい。

当会のTwitterでフォローしている東大物性研の押川さんの一連のツイートにもありますが、ビルの屋上というのは3月当時の状況が保存されている可能性があります。
今回の横浜市港北区のマンションの高さなどは不明ですが、屋上は当然防水仕上げで土壌の様に地下に浸潤したり風や雨水で他からの飛散、凝縮の影響は受けにくい(2次元的な)閉鎖断面なので面積あたりの降下量はある程度推定できるのでは?と思います。

10月13日の千葉市による説明会の際もストロンチウムの検査について質問がありましたが、確かにストロンチウムの検査を全量やるというのは不可能です。ただしセシウム量との相関(比例関係)がある程度つかめれば推定は可能になるはずです。
「再拡散、凝縮」といっても二次元の陸上の話と違って生体濃縮が関係する海産物(海洋)についてはそれこそ雲をつかむ様な話で三重大学の勝川先生は海産物についてセシウム量が一定以上の検体のストロンチウム量を調べて相関を求める事を提案しています。

※ 朝日「ストロンチウム飛来ない」見解修正
「ストロンチウムは飛ばない」と断言したのは「素人」だけではないようです。
9/30 放医研杉浦氏「首都圏にはストロンチウムは飛んできてない!?」

別に杉浦氏をやり玉に上げる気はありませんが、要は「Sr90と同時にSr89が検出されたか」を調べればいいだけで「データーがないから存在ない」と断言するのはいささか早計だろうということです。
一部の人に評判が良い東大病院の中川恵一氏も「小魚は海草を食べるから生体濃縮は起こらない」とテレビで断言していましたが、それを見た知人の小学生のお子さんが「小魚が食べるのはプランクトンだ!」とツッコミを入れたそうです。

2)船橋アンデルセン公園のプチスポットについて
船橋のプチスポットについて「市民団体がはかったら5マイクロだったが船橋市が『高精度の線量計』ではかりなおしたら1.41マイクロだった」という妙な記事をみつけたのであらためて書いておきます。

言外に「素人測定はこれだから困るよ」的ニュアンスが溢れていますが朝倉市議が測定に使用したのは日立アロカのNaIシンチレーションサーベイメータ―です。


一緒にHoribaのRadi Pa-1000が写っているのでそれとカン違いしたのかもしれません。(個人的にはPA-1000でどの程度の表示値だったか興味があります。)ふつうの感覚だと測定値が3倍違えば誤差とか精度の範囲ではなく、「測り方が違うか別のものを見ているのだろう」と考えると思いますが。
あと、以前の記事で線量計の校正について書きましたが局所的な汚染源にセンサーを直当てした場合は線量当量の校正条件とは異なるので、あくまで1m線量との比較で考える必要があると思います。(厳密にはcpm/cm2で評価する必要があるかもしれません)

船橋市 報道されたアンデルセン公園での放射線量について(10月18日更新)

東京新聞 船橋市のマイクロスポット対策 1000カ所で放射線量調査

以下記事の引用です。
 測定対象は、市立小中学校と高校など八十四校に加え、市立の二十七保育園、了解が得られた私立の幼稚園と保育園。公園七百二十二カ所や児童館なども調査対象に含める。
 新たに測定器三十二台を購入。計五十七台を使って十九日から測定を始め、本年度いっぱい続ける予定。
 小中学校では、これまで校庭中央と砂場しか測定しなかった。今回は側溝や芝生、雨どいなど放射性物質がたまりやすいとされる場所百地点以上で測定し、二十~三十地点を抽出して毎月、継続測定も行う。公園は一カ所二十五~三地点ほどで測定するという。
 市は「地上五十センチで毎時〇・三〇マイクロシーベルト以上」を高線量地点と定め、教職員が清掃や木の剪定(せんてい)、砂場の砂の入れ替えなど除染を行う。
 市は六月から市内の放射線量の定点測定を開始。八月には、学校や公園など二百十九カ所で一斉測定を実施した。これまで六月に市立保育園の砂場で毎時〇・六九マイクロシーベルト(地上一センチ)、今月には「ふなばしアンデルセン公園」内で局所的に同一・五五マイクロシーベルト(同)を計測している。



(3)世田谷のホットスポット問題

福島原発由来の放射性物質ではなかったのは周知のとおりですが、過去には夜光塗料として時計などに放射性物質が使用されていました。現在は使用が禁止されたり、製造中止になっていますがウランガラス、カメラのレンズ(トリウム)、蛍光灯のグロー管など生活圏にあるもののほか、大学、研究機関、医療機関などにも放射性物質を保管している施設は結構あります。(分析、計測装置にも放射性物質が使用されているものがあり、廃棄する場合は文科省?に届け出る必要があったと思います。)

怪しい?光をはなつウランガラス 英国アンティークス オフィシャルブログより引用
ウランガラス

あまり言いたくありませんが海外通販では「光るキーホルダー」(トリウム)とかCs137の標準線源なども簡単に手にはいりますし、個人の価値観なので評価は差し控えますがラジウムやラドンを放出する自然石を数10万で購入して自ら志願して被ばくしている方もいます。問題は組織の改編、担当者の移動、退職、個人の場合は引越し、本人の死亡などにより由来が不明な放射性物質が放置されることです。

世田谷の件が対処に時間を要したのは結局線量計は核種の判別をしていないので放射線が「ある、ない」「強い、弱い」だけで「何があるか」がわからないからです。
緊急時にサンプルをゲルマニウム半導体検出器で検査していては対応できない場合があります。最近はポータブルの線量計でも核種判別が可能な装置がありますので(個人が購入できるような金額ではありませんが)自治体、行政で線量計を購入予定の場合には防災上(火災、地震時での放射性物質の拡散、漏洩)の観点からも検討して戴きたいと思います。

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