子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

ガイガーカウンターってダメなの?

お読みになった方もいらっしゃると思いますが9月8日の東京新聞に気になる記事がありました。

放射線計 精度「?」 安価な9製品 ばらつき

「やり玉」に上がった装置のオーナーの方はショックですね。
東京新聞の記事はすぐリンク切れになってしまうので本文を貼っておきます。
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国民生活センターは八日、福島原発事故の影響で需要が増えている安価な放射線測定器九種類の性能試験を実施した結果を発表した。「いずれも正確な測定はできず、食品や飲料に含まれる放射線量も測定できなかった」とし、消費者に「直ちに信用しないで」と注意を呼び掛けている。 (発知恵理子)
 - 中略 -
 同センターでは十万円未満で、六月下旬ごろに楽天市場やヤフーショッピングなど大手通販サイトで「売れ筋」などとされていた九種類の測定器を購入。いずれも十回ずつ測定する性能試験を実施した。
 - 中略 -
同センターは「消費者にとっては、信頼できる測定器は高価で手に入りにくく、自ら放射線量を測定することは難しいのが実態。文部科学省などが発表しているデータを参考にしてほしい」と話している。


記者を疑うわけではありませんがこういう記事は元ネタに当たるのが基本です。
独立行政法人 国民生活センター 比較的安価な放射線測定器の性能

揚げ足取りではありませんがまず、気になったところ

2)シンチレーション式サーベイメータ
シンチレータに入射する放射線によるエネルギーに比例した強度の光を、電気信号として
検出する。一般に、食品・飲料水等が暫定規制値以下であるかどうかの測定は困難である。

千葉市が購入しようとしている食品検査機は今回のテストで比較に使ったプローブ式のNaI(TI)シンチで
厚労省の緊急時における食品の放射能測定マニュアル 
に準拠して食品の検査を行うものなので、この記述は非常に問題があります。
(追記:ヨウ化ナトリウムシンチレーターについて参考になるURLを上げておきます。国の補助で柏市などが購入した食品検査機や以前の記事で紹介した「大地を守る会」の測定器もNaIシンチレーターです。)
EMF211型ガンマ線スペクトロメータ
長崎大学先導生命科学研究支援センター  「放射線測定(1)」

あとテストに関して

参考品の校正済NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータで測定した自然放射線(バック
グラウンド)の値は、通常環境下で毎時0.06μSv(μSv/h)、厚さ10cm の鉛箱で遮蔽した環
境で0.01μSv/h と安定していた。一方、テスト対象銘柄は、総じて参考品より高い値を示し、
No.3、8、9 以外はばらつきも大きく、測定値の信頼度に欠けていた。

鉛箱の遮蔽がどの程度のものか判りませんが、ここで測定しているのは(「自然放射線」の影響も完全に遮蔽していませんが)どちらかと言えば「装置そのものの(電気的な)バックグラウンドノイズ」ではないかと思いますが、どうでしょうか。例えば海上(水上)では地殻由来の自然放射線が遮蔽されるので低い数値を表示するはずです。(「はかるくんの手引き」より)

A2700の自己バックグラウンドの見積り

また以前講演で慈恵医大の箕輪助教から「地下鉄大江戸線の様な宇宙線の低い大深度空間で鉛箱に入れた時表示するのがその装置のゼロ点」と聞いた覚えもあります。

そんなわけで書いてある事は結構怪しげな部分もありますが標準線源を使ったテストなどあって一応参考になります。(測定回数は書いてあるがインターバルが記載されていないのは??)

少しまとめると
  • GM菅の場合感度はその物理的な大きさ(容積)に単純比例するので極小型のGM管を用いた線量計はもともと不利で比較に使った日立アロカのNaI(Tl)シンチの400分の1程度の感度しかないので比べる方がかわいそう。
  • 従ってGM管簡易装置で食品、水の測定は実験するまでもなく原理的に無理です。同じシンチレーション検出器でもヨウ化セシウムCsI(Ti)だと微妙です。(できるという触れ込みの装置もあります)
  • A2700はCsI(Ti)検出器で検出器のサイズが25X12.5(mm)ですが(シンチも検出器のサイズが大きい方が感度的に有利)今、土壌の1000Bq/kgと5000Bq/kgくらいの差なら遮蔽なしで分かるのではないかと実験しています。
  • 取り上げられた9機種は基本的に高線量(原発、放射性廃棄物処理などの作業者)用です。まず測定器のスペックで注目すべきは「測定範囲」です。
  • 日立アロカのTCS-171B/172Bでも~30μSv/h CP-A2700だと~9.99μSv/hですから福島原発周辺に持って行くと簡単に振り切れます。0.1μから10mSvの様な広範囲(10万倍)を精度よく測定する装置を作るのは非常に難しいのです。(もちろん金に糸目を付けなければ何でもできますが売値が10万以下では絶対無理。


あと、以前も書きましたが壊変によって放射線を放出するのはランダムな確率的現象なので表示値は常に変動します。A2700の表示が「安定」しているのはソフトウエアで60秒間の移動平均を計算し表示しているからです。以前この記事にあるJB4020をお借りして使ってみましたが、時定数を「9秒」に設定するとデタラメな数値が表示され大失敗しました。
別に弁護するつもりはありませんが、こうした小型GM管を使用した装置で10秒、30秒程度のインターバルで表示を読んでも有意味なデーターが得られるとは限りません。家電ではないのでガイガーカウンターは中身がある程度わからないと使えない機械です。

後ほどUPしますが今回CP社のA2700を初めて使った屋外測定を花見川区内で行いましたが、時定数が大きいため予想通りというか、ブランコ下や吹き溜まりのようなプチ・スポットを短時間に見つけるのには向きません。
測定器には一長一短あるので、せっかくお金を出して買った装置ですから(動作不良なら仕方ありませんが)そうした目的のために活用する方が良いのではと思います。(高いところを見つけたらA2700で測りに行きますのでご連絡下さい。匿名でもオッケーです。)




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