国立環境研レポートを読みました。
読売 放出ヨウ素13%・セシウム22%広範囲に降下
実は他社の記事も資料(2) 国立環境研究所プレスリリース の引き写しで肝心なことは資料本文を読まないと判りません。非常に判りやすく明快にまとめられているので是非読んでみてください。(資料へのリンクは最下段にまとめました。)時間に限りのある方は資料(5)だけでも十分概要は把握できると思います。東京電力福島第一原子力発電所事故で拡散した放射性物質のうちヨウ素131の13%、セシウム137の22%が日本の陸地に降下したことが、国立環境研究所地域環境研究センターの大原利真センター長らの推計でわかった。 降下は、東北から関東、長野、新潟の一部の広い範囲に及んだ。
研究グループは、第一原発からヨウ素131が約14万テラ・ベクレル(テラは1兆)、セシウム137が約1万テラ・ベクレル放出されたと仮定し、大気中で拡散し、地面へ降下した状況を推計した。
その結果、ヨウ素は、ガス状のものが多く、第一原発を中心に同心円状に広がったことがわかった。一方、セシウムは粒子となって雨や雲に取り込まれ、地表に降下するため、降雨などの気象条件の影響を受け、局地的に降下量が多い地域が生じることがわかった。
(2011年8月26日01時38分 読売新聞)
まず資料(6)
研究者がようやく金縛り(NHK七澤さん)から解けて声を上げ始めたという事かもしれませんが、うがった見方をすれば保安院の解体→環境省=原子力安全庁という流れの中の話と考える事もできます。(民主党PTのこれ以外の記事も眼を通して損はありません。)「各研究機関の方々から、自分たちのデータを出したくても本省から止められて出せなかった経緯があることなどから、今回の事を踏まえて、各研究機関が持っていたデータを出すにも国からの要請がないと出しようがなかったということで、一義的に国がどういうデータをどこにどのように提供するのかという仕組みを作ってほしい、国民に有効なデータを早く出したかったというご意見を頂きました。」文責:徳永エリ参議院議員
個人的には放医研に「出したくても出せなかったデーター」や「出したいと思った人」がいたかは疑問ですが、幹部職員は解任、本体は文科省から厚労省に移管し低線量被曝の研究に予算的な手当てをするのが望ましいと考えています。
資料(1)I-131=気体 Cs-137=粒子としてCMAQ(大気汚染Iシミュレーションモデル)による気濃度の遷移をgifアニメーションで表示していますが、WSPEEDIと異なるのは気象条件を加味した「積算沈着量」を表示していている点。
資料(3) 過去の2回の大規模放出(3月15日2号機、3月20日3号機格納容器破壊)と気象条件(,風、降雨)による沈着量の関係(ヨウ素とセシウムの濃度分布に相関がないこと)を合理的かつ明瞭に説明していること。

資料(4)
I-131 =ガス:乾式沈着 沈着量は濃度(風)に強く依存
Cs-137=粒子:湿式沈着 沈着量は濃度(風)と降雨の両方に依存
I-131の沈着量は福島、茨城、栃木 Cs-137は福島、宮城、群馬、栃木の順で多い
東京、埼玉、千葉の人口密集地域で2回に渡ってヨウ素による公衆被曝が起きたことは否定できない事実(上右図)、水道水のヨウ素濃度のピークは3月22~23日
資料(5) ただし環境研もこのシミュレーションでは千葉県東葛地区のホットスポットは再現できていない(説明できない)事を認めている。全体に千葉県北西部に関して過小評価という印象を持つが、不備を認める点で実測値より計算値を重視するどこかの自治体よりはるかに信頼できる。
むしろ空間線量、土壌調査の結果からは一部から「インスタントラーメン」と酷評された早川マップの方が東葛地区の現実に適合している。(道に迷って腹をすかして動けない時「ラーメンなんか食うな、目的地に行けばフランス料理のフルコースが食える」と言われても何の意味も無いのと同じ)
「環境シミュレーションの役割」で「新たな大量放出時の環境影響の短時間予測→ 回避策の迅速な検討」に触れていることは大いに評価。不測の事態に備えるというのは当たり前の話だが、原発事故を経ても「危険を煽るのか!」と吹き上がる人や、事故が収束していないのに「もう、普段と同じ」とデマを流すどこぞの自治体が冷静な議論をさまたげる最大の障害。
最後の「今後の放射能汚染研究の方向性(私案)」は強い興味をもちましたがこの資料だけでは何ともいえません、続報希望。
資料(1) 国立環境研究所 東日本大震災 関連ページ
資料(2) 国立環境研究所プレスリリース
東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中での挙動に関するシミュレーションの結果について
資料(3) 福島第⼀原発からの放射性物質の大気中の挙動
資料(4) 福島第一原発からの放射性物質の大気中の挙動(2)
資料(5) 民主党原発事故影響対策プロジェクトチーム第28回総会(平成23年8月2日)での説明資料
資料(6) 民主党第28回PT総会 ホットスポットの形成について



