子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

土壌汚染地図とCs-134

8/19追記:
土壌調査プロジェクトに参加され自宅の土壌の調査をされた方からメールをいただきました。
「放射線防御プロジェクトの土壌調査ですが、
    ・雨どいの下など線量の多そうな場所はとらない。
    ・数箇所から土壌をとり、混ぜること
    といった指示は事務局からありました。」
との事です。

放射線防護プロジェクトによる「首都圏150箇所土壌調査プロジェクト」については以前の記事で紹介しましたが、チェルノブイリとの比較においてCS-137+Cs134としていることに対する是非について議論があるようです。(チェルノブイリの区分はCs-137単独)
非常に難しい問題ですが可能な範囲で考えてみました。

cheMap
旧ソ連による区分
区分Ci/km2Bq/m2mSv/y
     -1以下3700以下
第4区分(放射線管理区域)1~537000~1850000.5
第3区分(移住権利区域)5~15185000~5550001
第2区分(強制移住区分)15~40555000~14800005

まず、押さえておきたいのが今中先生による以下の基本文献です。
ウクライナでの事故への法的取り組み オレグ・ナスビット 今中哲二
チェルノブイリ事故によるセシウム汚染 今中哲二

いわゆる「チェルノブイリ区分」が法的に制定されたのは1991年2月27日,ウクライナ社会主義共和国最高会議の決定によるもので、その主旨は

最も影響をうけやすい人々,つまり1986年に生まれた子供たちに対するチェルノブイリ事故による被曝量を,どのような環境のもとでも年間1ミリシーベルト以下に,言い換えれば一生の被曝量を70ミリシーベルト以下に抑える,というものである

チェルノブイリの場合、原子炉が爆発、炎上したことにより核燃料中のあらゆる核種が環境に放出されました。上記の表では省略していますが区分に当たってプルトニュウムやストロンチュウムの放射能量も考慮されています。チェルノブイリの場合の「放射能比」はCs-137:134=2:1 でかつ上記の区分策定は事故5年後で事実上Cs-134の影響は無視しえた、という条件を忘れてはなりません。

東電福島第一原発の場合 Cs-137:134=1:1 ですが、Cs-134は非常に特殊な核種で核分裂生成物が中性子を再補足することで生成する放射化合物であり、その比率は核分裂生成物が原子炉の中にあった時間に比例し、いわば固有の「刻印」を持っている事になります。つまりCs-134 は原子炉の中でしか生じないもので過去の核(原爆)実験の降下物の中からは検出されていません。要はCs-134は過去の原爆実験では出現していない=データーが少ないのです。

Cs-134はCs-137と同じβ核種ですが、γ線は13種類、最高エネルギーは1365keVでCs-137(662keV)の2倍、主要な2種でもでも796と604keVで、β線についても半減期が短い分エネルギーの高いβ線を出します。

上で言っているCs-137とCs-134の比は「放射能比」(Bq 1秒間での原子の崩壊数)であって放射線量率(Sv)の比ではありません。実はある専門家の方に質問した時「計算しないとわからない」と回答されましたが学習院大(理学部)の田崎晴明先生の資料によると Cs-137:Cs134=1:2.7 になるようです。

放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説
セシウム 137 とセシウム 134


チェルノブイリとの比較ならCs-137だけでというのは形式論としては正しいが、あまり本質的な議論ではないというのが私の考えです。つまり問題は子どもの被曝量を「年1mSv以下にする」という目的であって、その為には短期、長期の影響を考慮しなくてはなりません。ですから田崎先生の説にある3年たってCs-134の影響が減じたとき(線量率が現在の1/2)に再度見直してCs-137単独で検討するというなら十分合理的だと思います。

首都圏150箇所土壌調査プロジェクトMAP まもる会in千葉Version

より大きい地図で「土壌調査プロジェクト」Mapをみる

(このマップではCs134+Cs137で「色分け」をしていますが、大きい地図の「Show Options」から「Cs-137単独で1000Bq/kg以上」といった絞込みが出来るので御利用ください。)

ただし、ネットの一部にあるように放射線防護プロジェクトに対し「木下黄太一派」とか「非科学的」とか、言うに事欠いて「高い値が出る場所を選んだ」と捏造呼ばわりする人たちには一切与しません。(そもそも測定する前から土壌のセシウム量が判るのなら神業ですが単純に空間線量率と間違えている気がしますが)

これに限らず「安全派」とか「危険派」とかレッテル貼りで思考停止している人の書いているものは、大変申し訳ありませんが信憑度は0.6掛けで評価していますのであしからず。
要はデーター(出典)を出し合って冷静に議論すればよいので、ここで書いたことも間違いやご批判があれば改めることはやぶさかではありません。

参考資料:
木村真三さん講演会のツイート風まとめ


半減期17年のセシウム137による土壌汚染の除染へむけ 児玉龍彦

水田および畑作土に存在する137CSの滞留半減時間(20ページ目から) 

セシウム浸透速度、想定より速い=水の0.1倍、放射能土壌汚染-東大

放射性セシウムに関する一般の方むけのQ&Aによる解説 土壌肥料学会


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