子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

弘前市、函館市の路上堆積土の放射能濃度

千葉在住のサーベイヤーである@Yusuke_tokumei さんが夏休みに帰省した際に弘前市と函館市の路上の堆積土を採取して下さいました。結果はご本人がすでにツイート済みですが、あらためてまとめました。

弘前市土手町の路肩の堆積土 500ml(843g) 28800秒(8時間) 測定日:8月25日
 Cs合計:14Bq/kg 存在比≒0.27
hirosaki.jpg

函館市本町の路肩の堆積土 500ml(843g) 28800秒(8時間) 測定日:8月25日
 Cs137:4.6Bq/kg Cs134<0.7 
hakodate1.jpg

弘前市の堆積土ではCs134が有意に検出されて134/137存在比も現時点で妥当な範囲ですが、函館市の堆積土ではCs134を定量出来ませんでした。存在比を福島由来の0.3程度と仮定してCs137 の濃度から逆算すると1Bq/kg前後なのでGe半導体検出器でないと定量は難しいと思います。(Cs137は過去の核実験、チェルノブイリ事故の降下物として単独で存在する可能性もあります)
線量的にはほぼ同等のようですが、関東周辺の例だと路肩の土は7~10倍程度の「濃縮度」なので両者とも非常に低汚染だとわかります。
弘前、函館とも低エネルギー側にトリウム系列(自然核種)のピークの他に500keV前後にBe7(半減期57日)とおぼしきピークが確認できます。関東圏でも植生を測定するとたまに見られますが、植生は取り置きすると状態が変わってしまうのに対し土壌ならそのまま比較できるので1か月後に再測定してみました。

函館市本町の路肩の堆積土 500ml(717g) 28800秒(8時間) 測定日:9月23日
 Cs137:5.2Bq/kg Cs134:1.1 
hakodate2.jpg
土壌の乾燥が進んだためが若干濃度が上がってCs134も「検出」となりましたが誤差が大きく、いずれにしろ3σの範囲です。
下図は8月25日と9月23日のスペクトル(生データ)を重ねあわせたものですが、トリウム系列、K40 、Cs137,134のピークは変化ありませんが477keV付近だけ確実に低下しているのでBe7と同定してよさそうです。
hakodate_spectra.jpg

原子力資料情報室 謎のガンマ線ピークの出現/抹茶についての追加調査報告
福島/いわき市放射線/放射能情報 謎のピーク(Be-7 ベリリウム7)
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HSFによる野田市清水公園の放射線量マップ

この間調査した松戸市「21世紀の森と広場」柏市「柏の葉公園」と清水公園のおおよその位置関係を文科省放射線量等分布マップ拡大サイトの図版に表示してみました。
sMAM.jpg
HSFによる野田市清水公園の放射線量マップ 画像をクリックすると拡大します。
shimizu_park.jpg
測定条件は検出器高さ50cmの連続歩行で、得たデーターの5秒間の平均値をマップのマーカー位置に表示してあります。静止画像ではなくGoogleEarthでマップを閲覧するには以下のリンクからKMLファイルをダウンロードして下さい。
2014年09月17日_清水公園.kmz


GoogleEarthが利用できない、描画速度が実用的でないなど不具合がある場合は以下のGoogleFusionTables版を拡大してご覧下さい。(フレーム下のリンクをクリックすると拡大します。)
HSFによる野田市清水公園の放射線量マップ(GFT版)

大きな地図でHSFによる野田市清水公園の放射線量マップを見る

清水公園は北側に隣接する野田市総合公園が一般向けの運動公園であるのに対して、アスレチック、花ファンタジア、ポニー牧場(ほとんど有料施設)など幼児児童と家族向けの「遊園」と言った位置づけのようです。(駐車場も有料です)
有料施設の測定は管理者の許諾が必要と考えますので、今回の測定範囲は不特定多数が自由に入場できる範囲に限られますのでご了解ください。(周辺部を測定しているので参考にはなると思います)
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池のほとりで0.1μSv/h(50cm)を超えたポイントがありましたが、0.05μSv/h以下の範囲も多く「野田は線量が低い」と聞いていましたが、千葉市南部の公園と同等またはそれ以下かもしれません。柏市在住の方には申し訳ありませんが、先日の柏の葉公園とはまるで「別物」と言って良いでしょう。ただし全く無汚染というわけではありません。

草地広場直置きでのHSF画面キャプチャー 直置き:0.05μSv/h
082759.jpg
上記箇所で300秒(5分)スペクトルを採取しました。残念ですが、低いとはいえセシウムのピークが確認されています。(カリウムのピークも小さく元々「自然放射線」も低いのかもしれません)
simizu_park-spectra.jpg
下図はHSFによる車載走行サーベイ結果(路面1m高さ)で赤丸が清水公園の位置を示します。
HSF_Sv.jpg
走行サーベイは遮蔽率や誤差の問題が複雑で線量率の絶対値というより相対的な関係(線量勾配)に着目した方が有用ですが、16号線に限ると梅郷付近が「境界」になっているように見えます。
以下のURL(リンク)からHSF走行サーベイマップの全体を見ることができます。

HSF車載測定マップ 千葉・茨城南部

県立柏の葉公園のどんぐりの放射能濃度

先日の柏市「県立柏の葉公園」の調査の際に、野鳥観察小屋付近の植栽でどんぐり(マテバシイ)を採取したので放射能濃度を測定しました。
採取場所地表5cmは0.8μSv/h程度の線量でした。(丸印内がどんぐり)
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付着している土壌はキロ数千ベクレルオーダーと推定されるのでよく水洗いしてキッチンペーパーで水気と汚れを拭き取ります。
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今回も「手抜き」ですが原形のまま1リットルマリネリ容器に充填して1800秒(30分)測定しました。
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結果は以下の通りです。

Cs137:93±2 Cs134:32±4 Cs合計:125Bq/kg 
134/137存在比≒0.34

kashiwanoha_donguri1.jpg
この結果だけで先日の松戸市「21世紀の森の広場」のどんぐりと比較するのは乱暴ですが、セシウムは4倍弱、放射性カリウムは120Bq/kgに対し150Bq/kg、元々誤差が大きいのでほぼ同等と考えて良いと思います。(原形のまま測定しているので柏のどんぐりの方がやや大ぶりのためか密度が今回0.7と前回の0.75より小さくなっています)
前回の記事でも触れましたが、「降下量」という意味では周辺の土壌放射能濃度は間接的に影響しますが、事故から3年半の時点では樹体に直接付着した放射性降下物の影響の方が大きいと思います。

〈関連記事〉
松戸市「21世紀の森と広場」のどんぐりの放射能濃度



HSFによる柏市「県立柏の葉公園」の放射線量マップ(3)

3)前回記事の1)、2)に当てはまらないものについてまとめました。(平面的な位置図を再掲します)
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⑨公園センター向かい(西側)植栽
樹木が密生しているので根本は測定できません。高さ約1mで0.24μSv/h
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同箇所でのHSF画面キャプチャー
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この事例だと植栽そのものの線量が高く、除染対象とされなかったのかもしれません。

⑩公園センター付近植栽 5㎝:0.6μSv/h
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同箇所全景
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同箇所でのHSF画面キャプチャー  5㎝:0.6μSv/h 50㎝:0.33μSv/h 100cm:0.27μSv/h
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周辺舗装広場からの流入が原因とも考えられますが、上の例を見ると植栽自体の線量もかなり高い様に見えます。

③ジョギング用歩道(トラック)
コミュニティ体育館前広場のジョギング用歩道の路面上は一部0.2μSv/h(50cm)を超えるポイントがあるなど、周囲の草地より2倍~3倍線量が高い事が判ります。(水色の線がトラックの形状を示します)
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写真のようにトラックは周囲の草地よりやや高く造成されています。
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路面中央(5cm)では0.3μSv/h近くあり放射性降下物が舗装面に固着していると思われます。
 0054.jpg

4)桜の広場④
スポットではなく(おそらく除染済み)桜の広場の草地の平均的な線量の場所を選んで検出器を直置きし300秒の平均値とスペクトルを採取しました。(検出器とPCは無線でデーターを送受信しています)
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直置きでも線量率は0.067μSv/h程度とはいえCs137、134のピークが明瞭に見て取れます。
kashiwanoha_spectra.jpg
上の例のような平坦な草地では表土の移動は少ないと思いますが、傾斜地、裸地などの周辺では一度除去しても高濃度のスポットが繰り返し生じる可能性があるので、堆積土は植栽に戻さず回収して管理するしかないと思います。

Sonntag-Fujikawa@sonntag_Fさんが同時期に柏の葉公園を測定し結果をツイートしておられますのでご参照ください。



〈関連記事〉
HSFによる柏市「県立柏の葉公園」の放射線量マップ(1)
HSFによる柏市「県立柏の葉公園」の放射線量マップ(2)

HSFによる柏市「県立柏の葉公園」の放射線量マップ(2)

前回の記事でも書きましたが、柏の葉公園は物理的半減と除染によって広場中央などの線量は0.2μSv/hを下回っていますが、逆に周辺では経時変化による強い濃縮が生じています。
濃縮のパターンは
1)植栽、草地の表土が雨水で流出→舗装部に高濃度の堆積土
2)舗装部の放射性降下物が雨水で移動→境界部の土壌で捕捉され濃縮

と大きく2つに分かれますが、当然どちらにも当てはまらないものや1)の場合、堆積土を清掃し集積することで濃度が上がる人為的な要因もあります。

とにかく柏の葉公園は広大で「それらしい場所」も無数にあり全てチェックできたわけではありませんが、下図に示した代表的なポイントを上記のパターンで分けて説明します。
kasiwa_AVF_2.jpg

1)植栽、草地の表土が雨水で流出して濃縮が生じた例
⑪第2駐車場東側植栽脇
第2駐車場については場内と植栽をはさんだ外部(歩道側)の動画記録を行い結果を比較しました。

除染によって植栽土壌の放射能濃度が下がっても、雨水で移動しやすい微細な土壌粒子や有機物が堆積すると当然重量あたりの濃度は高くなります。

①東南角入口付近(堆積土)
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高さ5㎝:0.38μSv/h 50㎝:0.28μSv/h
0034.jpg
上写真箇所でのHSF画面キャプチャー
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②公園南側 植栽-歩道境界(公園南側)
0038.jpg
同箇所でのHSF画面キャプチャー 50㎝:0.29μSv/h
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⑤野鳥観察小屋付近の植栽
高さ5㎝:0.82μSv/h 50㎝:0.42μSv/h
0045.jpg
同箇所でのHSF画面キャプチャー 50㎝:0.42μSv/h
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2)舗装部の放射性降下物が雨水で移動→境界部の土壌で捕捉され濃縮した
⑧バラ園南側の広場-植栽の境界
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同箇所 5cm:2.7μSv/h 50cm:0.83μSv/h 
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今回の測定で最も高線量の箇所で1mでも 高さ1mでも0.52μSv/hあります。2つの通路の交点かつ広場の雨水が流れ込んだ事により放射性降下物の強い濃縮が生じたと思われます。

⑥テニスコート南側歩道脇植栽
同箇所でのHSF画面キャプチャー 5cm:0.99μSv/h 50cm:0.48μSv/h 
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ボート乗り場(東側)付近から緩い下り坂になっており、0.2μSv/h(50cm)を超える範囲が連続していますが、⑧の例と同じく2つの通路の交点が最も高い値を示しました。


⑦公園東側出入口(2)からの通路脇
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上写真箇所 5cm:1.0μSv/h
0067.jpg
同箇所でのHSF画面キャプチャー 高さ1mで0.37μSv/h 
141708.jpg

長くなったので上の2パターンに該当しない例については別記事とします。(つづく)
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