子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

HSFによる我孫子市・柏市4公園の放射線量マップ(1)

大雪のため中断していましたが、2月23日に我孫子市、柏市の公園についてHSFによる調査を行いました。
調査対象は①手賀の丘公園(柏市)、②気象台記念公園、③利根川ゆうゆう公園、④岡発戸市民の森(我孫子市)の4箇所です。
公園内は高さ50cmでの連続歩行、4箇所の移動に際して車載走行データー(地上100cm)も採取しました。
abiko_HSF1.jpg
歩行、車載データーのGoogleEarth用kmzファイルを作成しましたので以下のリンクからダウンロードしてご参照下さい。
2014年02月23日_我孫子市・柏市4公園.kmz


GoogleEarthではなく通常のウエブブラウザでマップを参照される方はGoogleFusionTables版のマップ(歩行、車載データーを統合)を以下のリンクからご覧ください。
HSFによる我孫子市・柏市4公園の放射線量マップ(GFT版)


1)手賀の丘公園(柏市)
HSFによる手賀の丘公園の放射線量マップ(画像をクリックすると拡大します)
teganomori_park.jpg

HSFによる手賀の丘公園の放射線量マップ(GFT版)

大きい地図でHSFによる手賀の丘公園の放射線量マップを見る

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手賀の丘公園はt手賀沼南岸の地形(丘陵、山林)を生かした広大な自然公園ですがアスレチック遊具なども設置されていて、当日もお子さん連れの若いご夫婦が沢山来園していました。(南側のテニスコート、駐車場は今回測定範囲外になっていますのでご了解ください)

公園入口(どんぐりの家)には柏市による除染状況(線量)についての表示がありました。
430018_20140225233557862.jpg
前述のように非常に広大な公園で、一部立ち入り制限箇所もあり全域をカバーしていませんが線量率は一部をのぞき0.2μSv/h以下(50㎝)で除染効果によるのか0.1μSv/hを切っている部位もあり、調査した範囲で線量率分布で大きな偏りは見受けられませんでした。
柏市のHPには放射線関連の情報が多くありG-DAQによる車載、歩行測定結果もありますが手賀の杜公園についての詳細データーは見つかりませんでした。(ご存じの方は教えていただければ幸いです)

柏市HP 手賀の丘公園
柏市HP 柏市空間放射線量マップ(車載走行・歩行測定による)
空間放射線量独自測定マップ 千葉県柏市
Mobile G-DAQ(モバイル ジーダック) について

〈関連記事〉
HSF(ホットスポットファインダー)測定結果まとめページ
HSF(ホットスポットファインダー)による千葉県、茨城県南部の車載走行サーベイ結果(暫定版)
HSFによる新鎌ヶ谷駅周辺の放射線量マップ(その1)
HSFによる新鎌ヶ谷駅周辺の放射線量マップ(その2)
HSFで印西市木下万葉公園周辺の放射線量を調査しました

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融雪後の堆積物(アスファルト片?)の放射能濃度を測定しました(千葉市中央区)

関東、甲信越地方を襲った記録的な豪雪の痕跡も消えつつ有りますが、道を歩いていると融雪後の黒い堆積物目立つようになってきました。

歩道上の雪と堆積物(千葉市中央区)
430021.jpg
明らかに外観が土とは違い、除雪時に金属スコップなどで削られた車道、歩道のアスファルト片(骨材)の様に見えます。
何箇所かの堆積物をホウキで掃き集めて放射能濃度を測定してみました。(結果は以下の通り

Cs137:241 Cs134:99 Cs合計340Bq/kg 350ml(490g) 1800秒

融雪後堆積物
比重も1.5弱ありほぼアスファルト片と断定して良さそうです。
まもる会in千葉が2012年に行った千葉市内公園、施設等の土壌調査結果では中央区の平均的な土壌放射能濃度は300Bq/kg程度で、その数値と比較すると極端な濃縮が生じている様には見えませんが、試料を2mmのフルイにかけて粒度の小さいものだけ集めて測定すれば濃度は高くなる可能性があるので、さらに試料を集め再試験してみたいと思います。

千葉市では周辺線量に影響を与えるレベルではありませんが場所によっては有意に線量が上昇しているようです。
abiko_izumi.jpg


実は2月23日(日)に福島県いわき市の市民測定所たらちね主催で木村真三さんの講演会が開催され、まもる会in千葉のメンバーも何人か参加しました。

2014年2月23日(日)木村真三講演会&たらちね測定報告会のご案内

1860.jpg
木村さんのお話の中で「街なかのなんでもない所に突然ホットスポットがある。理由が判らなかったが冬になって『雪捨場』だとわかって初めて原因が解明した」というエピソードがあったそうです。

アルマジロとFitzPeaks NaIによるベクレル定量超入門(もどき)

本記事ではアルマジロ(CsIシンチレーター)とFitzPeaksNaIについて取り扱いますが時間の無駄を省くため、最初に重要な点を述べます。

・FitzPeaksNaIはWindows用プログラムですがWindows7(64BitVersion)では動作しませんでした。記事の内容はWindows7(32BitVersion)によるもので、WindowsXPでの動作も確認しています。(Windows8は未確認)
・この記事はアルマジロをターゲットとしていますがチャッピー検出器や他のシンチレーターでも有効です。
・中、高濃度の試料中のセシウムを「ザックリ」定量することを目的としていますので「セシウムしか測定しないのはけしからん、アルマジロでプル系、ウラン系を調べたい」「1ベクレル以下まで検出したい」とチャレンジされているエキスパートの方には無益な内容です。

1)「ベクレル定量」のおさらい
試料に含まれるセシウムのベクレル量を求めるには核種ごとのピーク面積(計数率)をベクレル量に換算する必要がありますが、アルマジロやチャッピーの様に検出器が単体で販売されている場合、ユーザーが容器ごとに換算係数を自分で実測し決めなければなりません。

γ線測定によるCsの定量入門

「ベクモニ」は定量を目指す個人測定者の方が良く利用しているソフトで、多くのベクレルモニターと同様に上記の和田先生の資料にある「ROI(関心領域)」中のγ線の計数率からベクレル量を求めていますが、NaI(CsI)検出器を使用する場合に以下の問題は避ける事ができません。

・分解能が低いので662keV のCs137を605keVのCs134あるいは609keVのBi214と分離して単独で計数できない。
・K40(カリウム)を含む試料ではコンプトン効果によりセシウム領域(600~800keV付近)の計数が嵩上げされる。

NaI(Tl)シンチレーターとHPGeのスペクトル比較(SEIKO-EG&G HP より)
LaBr3_201403071644033f4.jpg  
アイソトープ協会の頒布しているCs137、134の単独体積線源を使えば他核種の影響を受けずに計数率の校正ができますが、高価で個人で入手するのは困難なため通常はHPGeなどで定量しベクレル量が既知の環境試料を使用するのでハードルが高くなります。

「ベクモニ」では605keVのCs134と662keV のCs137の計数をまとめて勘定し796keVのCs134の計数(に係数をかけた値)を減算する、K40の計数からセシウム領域(600~800keV付近)での嵩上げ分を推定してセシウムから減算するなど結構面倒な処理を行っていますが、137,134,K40の計数が循環的な参照関係にあるため実測値から換算係数を得るのは入門者の「前歯を折る」ような難しさがあります。

下図はその辺りを手抜きして簡略化できないかと、EMF211で測定した高カリウム試料のスペクトル画像にお絵かきソフトで「えいっ」と目見当でピーク形状(面積)を手書きしたものです。662keVのCs137のピークは高エネルギー側のスロープを先に引き軸対称(二等辺三角形)と仮定し、コンプトン散乱の連続スペクトル(赤線)で足切りして正味のピーク面積?を青色で表示してあります。
K40andCs.jpg
「あまりに適当すぎる」との厳しいご意見もあると思いますが、世間にはピークがないのにヒゲ1本で数値を出したり、同位体比が異常(Cs134がCs137の2、3倍)なデーターでも平気で「検出」してしまうおちゃめなベクレルモニターもありますが、「お絵かき法」では
・そもそもピークがなかったり、計数が少なくギザギザだとマトモに線が引けない
・多少温度ドリフトしても人間が目で追従
など「大間違いはしない」という点では決してバカにしたものではありません。

2)FitzPeaks NaI (関数適合法)とは

前記の「お絵かき法」は誤差(不確かさ)の様な洒落たものは出ませんが「もう少しもっともらしく(数学的な方法で)線が引けないか?」という考えるのが人情です。最小自乗法は「測定点との誤差(の絶対値)の合計が最小になるように線を引く」方法の一つと言えますが、筆者の能力とググれば良サイトが沢山あるので説明は省略します。
kaiki.jpg
前振りが長くなりましたがFitzPeaks NaIはJF Computing Servicesが無償で配布している関数適合法によるγ線スペクトロメトリー解析プログラムです。
FitzPeaks Gamma Analysis and Calibration Software

「FitzPeaks」はHPGeまたはCdTeなど高分解能検出器向けなので必ずHPの最下段にある
”There is also a version of the software available that is optimised for low resolution detectors such as Sodium Iodide. An evaluation copy of FitzPeaks NaI can be downloaded by clicking here ” のリンクからFitzPeaks NaIを取得します。

保存したinstall_nai.exeをダブルクリックするとc:\Program Files\FitzPeaks NaIにインストールされます。(管理者権限が必要)

FitzPeaks NaIについてはBasamaさんのブログ FitzPeaks NaIを用いたスペクトル分析 から
PRAおよびFitzPeaks NaIを用いたγスペクトル分析法

をダウンロードして読み込んでおく事が必須です。本記事では上記PDFと重複する内容は省略し補足、追加事項についてのみ取り扱っています。

3)FitzPeaks NaIへのデーターの取り込み
basamaさんのドキュメントではスペクトルデータ-の採取にはPRAを使用されていますが、ベクモニやThereminoMCAの吐くCSVファイルやTXTファイルも読み込むことができます。
下左図はPRAが出力するTXTファイル、下右図はベクモニの出力するCSVファイルでともに「メモ帳」やExcelで開くことができます。
PRAのTextファイル                ベクモニのCSVファイル
SPRATXT.jpgSBqMoniTXT.jpg

ベクモニのCSVファイルはHEADERがなく、1行目からデーターになっているのとデリミタ(区切り文字)がカンマである他は「一行がエネルギー/カウント数」の同一フォーマットです。
ベクモニのデーターをFitzPeaksNaI読み込ませるには「ファイルのプロパティ」から拡張子を*.csvから*.txtに変更し
FitzPeaksNaIの「Setup」「General」メニューでファイル形式とHeaderLineを確認(変更)します。(ファイルの先頭に空の改行を入れてもよいでしょう)
Ft13.jpg
ThereminoMCAの出力ファイルは下図の様にHeaderが10数行あるので同じように調整します。(1行を残しHeader自体を削ってもOK)
SThereminoTXT.jpg

PeakSearch」や「PeakFitting」の中で処理する上限チャンネルを指定する項目がありますので少なくともK40(1460.8keV)のピークが収まるように設定する必要があります。(元々分解能の悪いNaIやCsIで不必要にChannel数を増やしてもPCのリソースを消費するだけで大した意味はないかもしれません)
Ft15.jpg Ft14_201402211330252e4.jpg

実はFitzPeaksNaIには「Setup」→「MCAsetup」でMCAの出力を直接読み込む機能があるので、USBCodec経由でアルマジロの信号を入力してみましたが下図の様にスペクトルらしきもの?は描画しますが、パラメーターを変えてもCsの光電ピークが現れません。たぶんハードウエアMCA(PZ回路やBLR回路)でShape(整形)された信号しか受け付けないのかもしれません。(「そんなことはない、ちゃんとできる」など情報をお持ちの方は伏してコメントをお願いいたします)
FpMCA.jpg

basamaさんのドキュメントに従って前段取りが終わったらベクモニ+アルマジロで採取したCs137標準線源とK40のスペクトルデーター(下図)を読み込んでみます。
Bq_Cs137_K40.png

Analyse」→「PeakSearch」 をクリックすると複数のピークが検出されますがドキュメントにあるようにエネルギー校正に不要なピークは削除しCs137とK40のピークだけ残します。
  Ft02.jpg

Calibrate」→「Energy」 をクリック 表示されるピークのエネルギーが適切なら左最下段の「OK」をクリックします。
Ft04.jpg  

次に「Calibrate」→「PeakShape」をクリックし左側フロートメニューの「Perform  Energy Tailing Calibration」にチェックを入れるとFittingを始めます。
Ft07.jpg

Fittingが完了すると下欄にサマリが表示されます。下図の青枠にはCs137のピーク計数と誤差を表示しています。Fitting結果は右欄のピーク一覧から該当するエネルギーをダブルクリックするか上欄の「PulseShape」アイコン(赤枠)をクリックすると繰り返して見ることが出来ます。
Ft06.jpg

ここまで来たら校正結果を「File」→「Save Calibration」から「検出器校正データー」として一旦保存します。これ以降は「Setup」→「General」から検出器毎の校正データーを呼び出す事が可能になります。(ただしEnergy/channelなど同一条件で採取された一意性のあるデーターに限ります。)
Ft08.jpg

保存された校正データーを使用してアルマジロ+ベクモニで採取した環境試料(汚染土壌)のスペクトルを読み込んでみます。
(下図は500~700keV 付近 右端の山がCs137のフィッティング結果)
Ft09.jpg

同じくCs134(796keV)のフィッティング結果
Ft10.jpg

下欄に表示されているAreaの数値は計数ベースなので他のデーターと比較し放射能濃度と関連付けるためにはLiveTimeで除算して計数率ベースに直しておく必要があります。

下図は西日本で採取されたCs137のみ検出(約300Bq/kg)された特殊な環境資料をアルマジロ+ThereminoMCAで測定したスペクトルデーターをFitzPeaksNaIでFittingした例です。(keV/chの対応がベクモニと異なるので校正データーは検出器ナンバーを変えて保存してあります)
Th02.jpg

下図はThereminoMCAでのオリジナル表示ですが「最小エネルギー」で指定した低エネルギー側は画面上表示されませんが、TXTデーターには保存されているようです。なお上図での100keV以下のピークは受光素子(P.D)のノイズです。
SThereminoMCA_2013_11_01_22_05_47.jpg

本来のFitzPeaksNaI使用方法ではこの後にBackGroundデーターの登録、計数率の校正に進み最終的にはレポートを出力する事が出来ますがBasamaさんのドキュメントに詳しいので本記事では省略します。

ただ特にこだわりのある方は除き、目的が個人測定でバックグランドにコンタミによるピークがなければ省略しても良い気がします。むしろ「一点校正」より放射能濃度が既知な複数の試料を繰り返し測定して妥当性を検証してみることが重要だと思います。(暴言多謝)

こうしたK40を含む循環的な参照関係を使わず直接137,134のピーク計数を求める方法にはJAEAによる簡易法があります。

NaI(Tl)スペクトロメーターでセシウム134と137を個別に定量する簡便な手法を開発(お知らせ)

この方法についても後日実データーで確認してみたいと思います。(Excelのキーマクロで実現できそう?)

なおご質問、ご指摘事項などはコメント欄かTwitterでメンションしていただければ能力の許す範囲で対応いたします。(個別のDMには対応できませんのでご了解ください。)

〈関連情報〉
日光の放射能 測定方法2
Pico Tech - Peak Fit With R
Pico Tech - Peak Fit With Octave
NaIのスペクトルからCs134,137のγ線強度をpeak fitで求める

スペクトルのフィット1

追記
1.basamaさんのドキュメントにあるカスタムファイル *.enc、*.shpファイルをc:\Program Files\FitzPeaks NaI 配下に置くには管理者権限が必要です。XPに比べてWindows7はその辺がうるさくなって使い勝手が悪いのでスペクトルデータの置き場所は Setup→Directories→Other Spectra Directory で C:\Users\<UserName>\Documents\Spectra などにしておくのが良いかもしれません。

2.FitzPeaksNaI付属のhelpファイルは古い形式でコンパイルされたバイナリファイルなので参照するにはWindowsのversionに対応したWinHlp.exeが必要です。 http://support.microsoft.com/kb/917607/ja

3..basamaさんのドキュメントのp.14で指定する「PeakSearch Library」は前ページで作成した「Cs_k.lib」が正しいと思います。同様にドキュメントに明記されていませんが「Setup」→「Quantitative」で指定する 「Analysis Lirary」も「Cs_k.lib」を指定しています。


3月の学習会のおしらせ 放射性廃棄物処分場問題への取り組みとこれからについて

震災から3年目となる3月11日にまもる会の学習会を行います。
今回は今問題となっている、放射性廃棄物の問題についてとり上げます。

日時:3月11日(火)午前10時半~12時
場所:花見川区保健福祉センター 3階講習室
ゲスト: 佐々木悠二さん 「小櫃川の水を守る会」 事務局長
内容:放射性廃棄物処分場問題への取り組みとこれからについて
参加費:100円

福島原発事故以来、放射性物質を含む汚泥や焼却灰などの廃棄物が大量に発生しています。千葉県では、これらの内8000ベクレルを超えないものについて、管理型最終処分場3箇所(君津、富津、銚子)に埋め立て処分しています。
更に現在、8000ベクレルを超える指定廃棄物の最終処分場候補地を廻って、市町村長会議も開催されています。
この問題について私達も、きちんと情報を把握し、とりくんでいく必要があると考えているところです。

ゲストには君津地域の環境保護活動をしている「小櫃川の水を守る会」の佐々木悠二さんをお招きします。
佐々木さんたちは、君津や富津の水源地に放射性廃棄物の埋め立てがはじまると、「放射性物質から生命を守る市民の会」を結成し、運動されてきました。
これらについてのお話をうかがいます。是非ご参加下さい。

HSF(ホットスポットファインダー)による千葉県、茨城県南部の車載走行サーベイ結果(暫定版)

これまで実施してきたHSF(ホットスポットファインダー)による車載走行測定結果について簡単なまとめを作成しました。
データーはGoogleEarth用のKmz ファイル(非常に重いデーターなのでご注意ください)と、GoogleFusionTables版のマップのいずれかで閲覧可能です。
今回公開したマップは5秒毎の平均値をポイントに表示していますが、今後データーが増えた場合には10秒集約などデーターを間引いた軽量版を作成する必要があるかもしれません。

HSFによる千葉県、茨城県(南部)の車載走行サーベイ(kmzファイル)

HSFによる群馬県内車載走行サーベイ
(kmzファイル)

現在表示ポイント数は約2万ですが、実用的には(数値を直読できないなど制限はありますが)GoogleFusionTables版の閲覧をおすすめします。(マップ下欄のリンクをクリックすると拡大します)

HSFによる千葉県・茨城県南部の走行サーベイマップ


大きい地図でHSFによる千葉県・茨城県南部の走行サーベイマップを見る

なお、データーの閲覧、利用に関して以下の点にご留意願います。
・移動測定データーについては検出器サイズが同じなら静止→歩行→自転車→車載と移動速度が大きくなるほど誤差が大きくなり、車載走行サーベイの結果を「そのエリアの放射線量が年間○○mSv/h以上、以下」といった判断に用いるのは不適切です。
・表示しているポイントの数値は5秒間の移動範囲の平均値であり、位置情報はGPSの測位精度と車両速度のバラつきの影響を受けるため、静止測定値と直接比較は出来ません。
・ただし同一機種で同時期にあるエリアを一括して測定する事により、線量分布(勾配)を概観するのに適した方法で、絶対値ではなく線量分布の相対関係に着目すれば上記の問題を踏まえても充分意味はあると思います。

下図はFusionTablesのフィルター機能を使用して0.13μSv/h以上のポイントを抽出してHeatMap形式で表示した画像です。(0.13という数値は任意ですが、しきい値の変更はテーブル自体のアドレスにアクセスすれば可能ですがオーナーでないとマップ形式の変更等の操作は出来ません。)
Sv_HM.jpg
以下のリンクからHeatMap形式のサーベイマップをWeb上で閲覧できます。
HSFによる千葉県・茨城県南部の走行サーベイマップ(HeatMap形式)


GoogleFusionTablesのフィルター機能による線量区分と地形、植生等のマップデーターを重ねあわせることで多くの情報が得られるのではないかと期待しています。(下図は牛久市奥野付近、森林近傍で有意に線量が上昇する傾向が確認できます)
11月03日_HSF車載測定_013

車内での検出器とタブレットPC(車外で地上1mになるよう検出器の高さを固定)
0688.jpg

以下は車載走行測定に関しての技術的な問題のメモなので測定そのものに興味のない方は読み飛ばしていただいて結構です。

1)車体による遮蔽効果
停車した状態で車内、車外線量を測定して車体による遮蔽効果を確認してました。
群馬県関越伊香保IC出口付近 車内 0.042μSv/h   車外 0.059μSv/h
S20130815_075432.jpgS20130815_075404.jpg
佐倉市上座総合公園駐車場 車内 0.069μSv/h     車外 0.091μSv/h
S20131007_150441.jpg S20131007_150825.jpg
これまで実測した静止時の車内-車外線量の比較データー(高さ1m)を以下にまとめました。(車種はトヨタカローラ)
図1
車内外線量比
・上記結果から車内測定線量から車外線量を推定する場合の補正係数は1.3。(KURAMAⅡとほぼ同程度)ただし実測データーが少なく線量レンジが狭いので継続的に調査が必要。
・補正係数は車種や検出器の配置により異なると思われる。(ワン・ボックスカーやランクルの様な大型車では1.4~1.5?)
なお、上下、斜上、斜下、横など全方向からのγ線が車体の質量により減弱しているので検出部を外に突き出しても意味はありません。
図2 線源と車体のジオメトリ
car4.jpg

(2)計測誤差について
・壊変によるγ線の放出は確率的な現象で、イベント(単位時間)あたりの計数が充分多い時は正規分布と考えて
・1秒間に100回γ線(によるパルス信号)を検出した場合の標準偏差σは√100=10 で 100±10 
・上記より計数率R(rate) と計測時間T の関係は R±√(R/T)
(だたしHSFによる本データーでは1秒毎に5秒間(任意)の移動平均を記録、表示しているので厳密には独立したイベントではなく、正規分布にはならない。 後述)
・精度を上げるためには計測時間を長くするか計数効率の高い検出器を使用する(計数効率が同じなら大型化)のが有効
(ただし計測時間10秒で1000カウント R=1000/10=100cps  √(100/10)≒3.3 100±3.3 誤差は 3.3% 時間を10倍にしても誤差は1/3)

(単純)移動平均処理は「過去」のデーターを利用することで(見かけ上計数が増える)誤差が小さくなりますが、時系列データーに対してはローパスフィルターと同意なので瞬間的なピークも平滑化されてしまいます。
また上図2の様に限定された範囲に強い線源(マイクロスポット)ある場合は検出器と線源との幾何的な関係(ジオメトリ)、線源の広がりと移動速度との関係によっては充分な計数が得られない場合があります。

下図3は牛久市奥野の杉林付近のデーター(赤線は5秒間移動平均)
idouheikin.jpg
杉林付近の車載走行サーベイマップ(車道)
okuno-A.jpg
同箇所での歩行サーベイマップ(歩道)
okuno-C.jpg
車載走行サーベイでも車道側で杉林による線量の有意な上昇は検出していますが歩行サーベイ(歩道側)のデーターとは「別物」とで、「マイクロスポットは足で探す」のが基本」だと言えます。

成田-牛久走行全データー(図4) 赤丸が上図の杉林のポイント
narita-ushiku_Sv.jpg
上図の赤矢印のディップは利根川渡河時に線量が低下している部分、千葉-茨城に移動するに従ってベースラインが上昇し線量が乱高下しているのが判ります。
okuno-B.jpg

長くなったのと、GPSの問題は奥が深い?ので別項で検討したいと思います。

〈参考資料〉
KURAMAを用いた走行サーベイデータの解析
GPSと連動した計測装置の実証試験報告書 環境省福島再生事務所
EMF211(3インチNaIスペクトルメーター)を利用した走行サーベイ実験

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