子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

千葉市のゲルマニウム半導体検出器(環境保健研究所)を見学しました

千葉市が給食や市場流通品の検査にゲルマニウム半導体検出器を導入しましたが、実際の運用を行っている環境保健研究所のご厚意によりしらベルのスタッフの皆さんと見学にうかがいました。

最初に三井所長より導入の経緯について説明をうけました。
千葉市の導入したキャンベラ製のゲルマニウム半導体検出器(1180万円)は東日本大震災復興予算補助金から1/2、市の負担1/2で購入したもので、試用期間を経て9月から実際の運用に入っています。

9-10月(2ヶ月間)の検体数は
学校給食 36、保育所 40、流通食品 50  合計126検体でこれまで基準を超えたものは出ていないとのことです。

内訳は 1週あたり 学校保育所の給食 ×6→12検体 + 流通食品5 →17検体×5日間稼働 で市民の要望としてはより多くの食品を測定していただきたいところですが、「下限値1Bq/kg」を確保するためには 一検体 3000秒から4000秒の測定時間が必要で現状では手一杯」との説明でした。 

その後、装置について簡単にレクチャーを受けた後、都竹課長の案内で実際に前処理や測定状況を見学させていただきました。

前処理室
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1週間分の給食(測定前に解凍)     粉砕した給食をマリネリに充填

・給食1週間分の検査の前処理 集められた検体を解凍し、フードプロセッサーで粉砕し均一にしその中から2リットルをマリネリ容器に入れる
・流通の物も含め1ベクレル以下まで測定するよう指示されている為、検体は2リットル必要(検査時間3000秒から4000秒) U8容器だと検体量は少なくてすむが測定時間は20000秒位必要(実際は1800秒位で1ベクレルまで検出できるが誤差を小さくしたいので3000秒計測しているそうです)

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汚染防止用ビニール袋に入れられた検体   補強鋼板床に設置されたゲルマニウム検出器

測定室
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厚さ100㎜の鉛遮蔽体 円筒形の突起が検出器 装置の下に置かれた液体窒素容器

測定室は建物の5階(バックグランドの影響が安定しているなど望ましい場所、耐震も確認)にありますが装置重量2トン(鉛遮蔽10センチ900キロ)のため鋼板床の上に設置され400㎏/㎡の荷重に耐えられるようになっています。

・温度管理など 空調は24時間 温度は20から25℃でNaIに比べると測定中の温度変化がなければあまり気にしなくともよい。むしろ湿度の影響が大きいので除湿機2台を稼働させている)
・窒素使用量は30リットル/週なので正月休みなどで無人(無補給)化しても対応可能。費用は500円/1リットル
・検出器の相対効率は22%(厚労省基準では15%以上)
・ゲルマニウムは経年劣化していくが10年以上は使用可能、年1回のメーカーの保守点検が必要(約50万円)

私たちも入室できたのは測定室の手前までで、私物は別室に預けスリッパをはきかえ使い捨て白衣に着替えてたように厳密に管理されているという印象でした。

装置の運用について
千葉市でも原木しいたけの生産農家の方が困っておられる状況などについてお話しましたが、衛生研究所でも当所は農政と連携した運用を考えていたそうですが、県の体制が農政と衛生部の縦割りで農政部は県内農産物、衛生部は主に県外産の流通品を担当しており、その流れで市も農政とは別に動いているとのことでした。
また装置1台しかないので検体数に限りがあり、給食の事前食材検査はそれぞれの担当が外部検査機関に委託しているようです。
装置の稼働を高めるには検査時間を短縮するのも一つの方法ですが「下限値を高くすることに理解を得るのは難しいだろう」というお話をうかがい考え込んでしまいました。

(長谷川弘美)

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まもる会による千葉市内小中学校15校の土壌調査結果(2)

まもる会in千葉の行った市内小中学校土壌調査の結果についての考察を簡単にまとめました。

(1)校庭中央、草地の放射線量と土壌放射能濃度

土壌採取した「校庭中央」と「草地」の2点と、並行して同ポイントの放射線量を測定した結果を下表に示します。
バラつきはありますが、全般に校庭中央の放射能濃度は草地の1/2程度で放射線量も有意に低いことがわかります。
学校校庭の中央は畑地などを除くと「一定の広がりを持った裸地」という特別な意味があり、昨年3月の福島原発由来の放射性降下物は校庭中央では早い時期に風で飛散し空間線量も低下したのに対し、草地は当時の状態が比較的保存されていると考えるのが合理的だと思います。

地域的には土壌放射能濃度は大局的に「北から南」に向かって低下しているように見えますが、学校により学校(校庭)仕様土と呼ばれる透水性が高く比重の大きい緑灰色の人工土(水はけがよく砂ぼこりが立ちにくい)を採用している場合と比較して、幕張中学校のように自然土(砂)の場合では放射能濃度が高い傾向が見受けられ、変動要素の一つとなっているように見えます。

土壌放射能濃度(Bq/kg) 空間放射線量
(μSv/h)
中央 草地・畑 中央 草地
花見川第一小 155 378 0.41 0.06 0.09 0.67
花見川第一中 155 658 0.24 0.05 0.11 0.45
長作小 318 823 0.39 0.05 0.07 0.71
さつきが丘西小 353 471 0.75 0.09 0.10 0.90
朝日ヶ丘小 143 653 0.22 0.06 0.09 0.67
朝日ヶ丘中 155 309 0.50 0.05 0.11 0.45
花園小 186 163 1.14 0.07 0.13 0.54
西小中台小 231 354 0.65 0.06 0.09 0.67
天戸中 126 302 0.42 0.06 0.07 0.86
こてはし台小 167 404 0.41 0.05 0.12 0.42
こてはし台中 312 446 0.70 0.07 0.10 0.70
幕張中 276 497 0.56 0.06 0.10 0.60
草野小 64 193 0.33 0.09 0.07 1.29
北貝塚小 132 144 0.92 0.05 0.05 1.00
若松小 120 244 0.49 0.04 0.06 0.67
平均 0.58 0.71


(2)風、構内整備(落葉、草刈り等清掃)による濃縮部

・雨樋、側溝など雨水による放射性下降物の濃縮はよく知られていますが、今回の調査では表土を集積することで同様な濃縮が起きることが確認されました。
砂は粘土質に比べるとセシウムが吸着しにくいことが知られていますが、比重が1.4~1.6と比較的重く風で舞い上がっても遠くまで飛ばず校庭の角隅などに「砂溜まり」を作る場合があり、そのいくつかでセシウムの濃縮が確認されました。(朝日ヶ丘中、こてはし台中、こてはし台、朝日ヶ丘小)

・こうした砂溜まりは風だけでなく清掃、トンボ掛けなど場内整備によって人工的に生じる場合があります。現在地表に沈着した放射性降下物(セシウム)は表土0~3cm程度の範囲に存在していると言われていますが、表土だけを集めた場合深さ5cm採取時の10倍以上の放射能濃度が計測された例があります。

朝日ヶ丘中 こてはし台
校門わき砂溜まり 0.6μSv/h(朝日ヶ丘中)  格技場脇砂溜まり 0.96μSv/h(こてはし台中)

放射性降下物は樹木や山林の林床(落葉などの有機物)に固着することも知られていますが、清掃作業により落葉や表土を集積した場合も同様に強い濃縮が生じる場合があります。
こてはし台小、花見川第一中での地表部で1μSv/hを超える箇所や、比較的放射線量の低い北貝塚小(若葉区)でも腐葉土を散布した箇所でグランド中央の5倍弱放射線量(地表)が上昇しているのが確認されました。

こてはし台小落葉 北貝塚小
落葉の集積場 1.2μSv/h(こてはし台小)    腐葉土の散布箇所 0.24μSv/h(北貝塚小)


(3)雨樋、側溝など雨水による濃縮部


今回の調査で雨水による高濃度(高線量)土壌が検出されたのは全て下右写真の「開放型雨樋」が原因で
・建築年度の古い体育館、校舎
・新設の格技場等で一部開放式になっている箇所
に限定されます。
建築年度の新しい、校舎、体育館は全て雨樋(雨水)が排水管と直結して地表に露出していない形式では問題ないことがわかりました。

SIMG3052.jpg長作  
 開放式雨樋 1.07μSc/h(朝日ヶ丘小)    開放式雨樋  0.58μSv/h(長作小)

現場に足を運び実情をご覧になったことのない「専門家」?は「雨樋の下で生活するわけではない」などと発言されていますが、体育館や校舎の屋根の表面積は一般民家よりはるかに大きく汚染土壌の濃度と物量が桁違いであることご存知ないようです。(約3万ベクレル/kgの汚染が確認された花見川第一小学校体育館の例では汚染土壌は土嚢袋20袋以上とうかがっています)

千葉市内小中学校土壌調査結果一覧(Bq/kg)
学校名 採取場所 Cs137 Cs134 Cs合計
草野小 グランド中央 44 20 64
花壇 121 72 193
桜の木の下 983 619 1602
朝日ヶ丘中 グランド中央 96 59 155
草地 190 119 309
格技場雨樋下 8573 5280 13853
さつきが丘西小 グランド中央 221 132 353
草地 293 178 471
西小中台小 グランド中央 147 84 231
体育館わき草地 220 134 354
西側昇降口わき 1669 1006 2675
花見川第1中 グランド中央 95 60 155
体育館石段下 5226 3252 8478
中庭 406 252 658
特別棟雨樋下 4757 2871 7628
こてはし台小 グランド中央 104 63 167
わくわく広場草地 242 162 404
プールわき盛土 1335 795 2130
体育館雨樋下 8987 5364 14351
天戸中 グランド中央 77 49 126
草地 185 117 302
格技場側溝 4078 2459 6537
幕張中学校 グランド中央 172 104 276
草地 308 189 497
校舎雨樋下 1508 905 2413
長作小 グランド中央 186 132 318
築山草地 482 341 823
花壇 84 55 139
校舎雨樋下(昇降口) 9116 6281 13398
花見川第一小 グランド中央 86 69 155
草地中央 221 157 378
体育館裏側溝 17294 12403 29697
花園小 グランド中央 108 78 186
96 67 163
草地(体育館裏) 3577 2430 6007
こてはし台中 グランド中央 182 130 312
草地 446 317 763
格技場脇 2750 1976 4726
朝日ヶ丘小 グランド中央 87 56 143
ジャングルジム脇 728 504 1232
草地 378 275 653
北貝塚小 グランド中央 78 54 132
ジャングルジム脇 302 207 509
89 55 144
若松小 グランド中央 70 50 120
中庭草地 242 151 393
144 100 244

調査結果を踏まえての教育委員会との話し合い及び各校での対処ないどについては次回の記事でまとめます。


11月のまもる会勉強会のおしらせ

恒例のまもる会の学習会(11月)のお知らせです。

日時 11月20日(火)午後1時半から3時
場所 花見川区保健福祉センター 3階


ゲスト  Tokatsu safe project 代表 森 修治さん

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写真右から二人目が森さん。

内容 森さんたちは、千葉県東葛地域を中心に子どもたちを放射能からまもろうと、保育園や幼稚園、個人宅など数多くの除染に取り組んできました。除染に関しての相談なども受け付けていますが、これらの活動についてとお仕事である臨床技師として甲状腺検査についてもお話を伺う予定です。



まもる会による千葉市内小中学校15校の土壌調査結果(1)

「子どもを放射能からまもる会in千葉」では千葉市教育委員会の許諾を得て本年7月、9月の2期にわたって花見川区を中心に千葉市内公立小中学校15校について土壌調査と放射線量測定を実施しました。
調査の実施を許諾いただいた教育委員会、各校での調査に同行いただいた学校長、教頭、教務主任の先生方、測定に協力していただいたSWR株式会社の皆さまにはあらためてお礼いたします。

調査日時と実施校は以下のとおりです。

7月11日~7月23日(7校)
長作小学校、花見川第一小学校、花園小学校、朝日ヶ丘小学校こてはし台中学校(花見川区)
北貝塚小学校、若松小学校(若葉区)

9月10日~9月23日(8校)
草野小学校(稲毛区)
さつきが丘西小学校、西小中台小学校、朝日ヶ丘中学校、こてはし台小学校、花見川第一中学校、天戸中学校、幕張中学校(花見川区)

調査校の選定にあたってはメーリングリストや当ブログに寄せられた父兄の方からの要望を最優先し、他については千葉市による放射線量測定結果まもる会による市内公園土壌調査結果を参考にしました。

結果については各期ごとにレポートにまとめ教育委員会(学事課)に提出するとともに8月8日、10月22日にまもる会in千葉と調査に同行していただいた父兄の方と教育委員会担当者が参加し結果の説明と話し合いの場を持ちました。

SIMG3152.jpg
10月22日の調査結果説明会(教育委員会にて)

調査の目的、概要、結果のまとめについては10月22日に配布した資料をご覧ください。

千葉市小中学校の土壌調査結果について
(GoogleDoc)

まもる会千葉市内小中学校土壌調査(1回目)報告書(pdf)

まもる会千葉市内小中学校土壌調査(2回目)報告書  (pdf)


Excel形式のデーターを追加しました(2012/10/31)
まもる会千葉市内小中学校土壌調査(1回目)報告書.xlsx(Excel形式)
まもる会千葉市内小中学校土壌調査(2回目)報告書.xlsx(Excel形式)


土壌採取ヶ所及びポイントでの空間線量測定結果は下のマップにまとめてあります。

より大きな地図で 千葉市内公立小中学校土壌調査 を表示

現状のマップではgoogleMapの仕様で200以上のマーカーを一度に表示出来ないので左ペインの一覧の最下段までスクロールして「次へ」をクリックして下さい。(後ほど修正する予定です)
rad_map.jpg

7月の調査ではRT-30、ClearPulse A2700、Horiba Radi Pa-1000などの線量計でポイントごとの放射線量を測定、記録しましたが、9月の調査ではSWR株式会社の測定チームのご協力で歩行しながら校庭全域の50cm高さの測定を行いマップを作成しました。

千葉市小中学校土壌調査(2回目).kmz(GoogleEarth用kmzファイル)

ファイルをGoogleEarthで開くと下の画像ファイルの様に数値を直読できます。
花見川第一中

測定方法やデーターの開設などは次回の記事で説明します。

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まもる会による千葉市内小中学校15校の土壌調査結果(2)
千葉市内の公立学校の土壌調査に取り組みます
学校土壌調査(途中経過)と市内公園の空間線量測定

学校の土壌調査と「まもる会活動報告」の電子版公開



千葉市花見川区の「ゆず」は43ベクレル

前回、柿、カリンを採取、測定した花見川区内の個人宅からゆずとザクロを採取して放射能濃度を測定しました。
(採取場所の空間線量は 0.06μSv/h 土壌放射能濃度 630Bq/kg)
当然1ヶ所では育生条件が偏りますが、逆に樹目の違いによる放射能濃度を比較するには最適とも言えます。

SIMG3158.jpg
SIMG3166.jpg
ゆずは「皮付き」「皮なし」に分けて結果を比較しました。(右上写真は包丁で皮をむきフードプロセッサで処理前の状態) 昨年この場所のゆずは未測定ですが全て廃棄されたものです。(皮付きは1リットル、皮なしは500mlを各々1時間測定)

SIMG3159.jpg SIMG3161.jpg
ザクロは実だけを取り出して種ごと1リットルを4時間測定しました。

測定結果は下表のとおりです。
(単位 Bq/kg)
品目 採取場所 Cs137 Cs134 Cs合計 測定下限値
ゆず(皮付き) 千葉市花見川区 26 17 43 4.4
 〃(皮なし)  〃 20 14 34 5.8
ザクロ(実)  〃 6 4 10 2.2

柿やザクロのような落葉広葉樹の果実(8~10Bq/kg)に対して照葉常緑樹(柑橘類)は濃度が高い傾向が続いているようです。昨年の柑橘類は実に対し皮が2~3倍濃度が高い傾向だったのですが(一例だけでは判断できませんが)差が縮小しているように見えます。
今年は幸か不幸かゆずの「当たり年」のようなので試料は沢山ありますので果汁だけを測定して結果を比較してみたいと思います。

EMF211ガンマ線スペクトロメーターによる「ゆず」のスペクトル
MIMG3163.jpg

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