子どもを放射能からまもる会in千葉
終わりの見えない福島の原発事故。情報を集め、調べ、必要な声を上げて行こう

しらべル連続学習会のおしらせ

ちば市民測定室しらベルでは8月に福島市民測定所や梨農家の阿部農園を訪問しましたが、福島の「今」を知るための連続学習会を開催します。

第1回 「福島避難区域でのボランティア活動」
日時: 9月27日(木)午後2時から4時
場所: ちば市民測定室しらベル
講師: 布留川修さん


しらベルの測定ボランティアでもある布留川さんに、放射能について、また福島原発行動隊との関わりなどお話をしていただきます。

自己紹介)私が小学2年生のとき、手塚治虫のまんが「鉄腕アトム」が始まり、夢中で読んで、原子力への夢をふくらませました。大人になってからは主に原子力関連の仕事を公的組織、民間企業でしました。数年前に退職し、今は家で特許や科学技術の翻訳をしています。3.11の原発事故にはショックを受け、何か現地の人のお役に立つことを、と思って除染などのボランティアに参加しました。しかし何をすれば本当に福島の人に役立つのか、確信はありません。


第2回 「SWRの放射線測定活動について」

日時: 10月13日(土)午後2時から4時
場所: ちば市民測定室しらベル

講師: SWR(株)技術部長 山口俊英さん

福島原発事故以降、高性能な放射線量計RT-30を使用し、千葉大学環境リモートセンシングの近藤昭彦教授との福島現地の汚染調査や、千葉県内の放射線測定を数多く行なうほか、市民団体との連携にも取り組んでおり、ボランティアでの測定活動の実施、またしらベルの創立にあたって多大な協力をいただきました。
この9月10日にはJR市川駅近くに独自での放射能測定室もオープンしています。これらのSWRの放射線測定活動についてSWR株式会社の山口さんよりお話を伺います。

SWRMap.jpg

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マーチン・トンデル氏講演会に参加しました

以前の記事で紹介した高木学校主催のマーチン・トンデル氏(スウェーデン ヨーテボリ大学 労働環境医学)とロバート・ウェリンダー氏(スウェーデン ウプサラ大学 労働環境医学)の講演会に参加してきました。
会場は大盛況で30分前に入場して座席をゲットしました。
当日はトンデル氏の盟友でもある京都大学原子炉実験所の今中哲二さんによる通訳(意訳?)により、プロの同時通訳より中身の凝縮したお話をうかがうことが出来たと思います。

この講演会のあとトンデル氏は月曜日(1月30日)に福島におもむき、ご本人の希望で山下俊一氏と対談、その後福島市での講演が予定されているそうです。

SIMG1750.jpgSIMG1751.jpg
講演中のトンデルさん        今中先生も加わっての質疑応答

当日の講演の元になったトンデル氏の2004年論文(低線量被ばくによるスウェーデン北部における発癌率の上昇)の要訳をstudy2007氏が作成して下さいました。
togetterのまとめと合わせてご参照下さい。

北スウェーデン地域でのガン発生率増加はチェルノブイリ事故が原因か?


当日のトンデル氏の講演内容 音声ファイル(MP3形式 147MB) を取り敢えずUPしましたが、正規のものではありません。講演内容は近日中にUstreamで放送されるそうなので(その以前にも支障があれば)適時消去しますのでご了解下さい。

トンデル氏の論文はチェルノブイリ原発事故の影響による発がん率への影響を100万人規模の疫学調査によって解明しようとした点で非常に画期的なものであることは言うまでもありません。
当時のスェーデンの汚染状況は最大12万Bq/m2(※ただしCs137のみ評価)で、そうした「低線量域」で比較的早い時点で影響が見られるという点で注目されたわけですが、データーの有意性については議論があるところです。(トンデル氏も甲状腺がん、白血病の有意な上昇傾向が見られないことから「もしかしたら間違いかもしれない」とおっしゃっていました)

質疑の時にもありましたが、この調査はあくまで外部被ばくに限った内容で内部被ばくや年齢別の影響度を切り分けるというものではありません。そういう意味では非常に古典的なアプローチだと思いますが、スェーデンで上記の様な大規模健康調査が可能であった理由はtogetterのまとめにある以外の要因として「国民総背番号制」があります。

当日の講演のスライドにもありましたが国民一人一人が固有のI.DをもちI.Dを入力するとマップ上に本人の居住地が表示されるという、私などはドン引きしてしまうお国柄でこそ実現できたものであること、それでも個々人の消費生活まで踏み込む調査が困難な事は疫学が政治的、社会的な強いバイアスの下にある事をあらためて感じさせました。

あと、質疑の時にECCRのバズビー氏がトンデル論文を援用して福島での今後の発ガン率の上昇リスクについて語っている事について質問がありましたが、「その件はバズビー氏に聞いて欲しい」と答えた後、「スェーデンでの知見で福島を予想するのは無理があると思う」と付け加えられました。

土壌汚染地図とCs-134  をご参照下さい。

セシウムの体内蓄積と排出(尿検査)について

尿のセシウム検査については7月2日の崎山先生の講演会の質疑の時に時間の関係で十分お答えをいただく事が出来ず、その後「放射線Q&A」の内容においても十分触れる事ができませんでした。
崎山先生はご承知のように多くのシンポジウムや県内外の講演で大変多忙にされており、引き続きお問い合わせは継続していますが、その後もご質問や情報提供等をいただきましたので現状で理解している点をまとめました。

(1)主に食品を介したセシウムの体内蓄積と排出について

『チェルノブイリ大惨事、人と環境に与える影響』の著者であるアレクセイ・ネステレンコ(現ベルラド放射線安全研究所所長)らが作成した「長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き」はメーリングリストで会員の方から情報提供をいただきました。この場をかりて感謝します。

言葉(訳語?)は硬いのですが内容は平易です。とはいうものの読み通すにはそれなりの忍耐と時間を要しますが、それだけの価値はある重要な資料だと思います。(下のリンクをクリックするとファイルが開きます。)

長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き

この文書と日本語訳の由来については京都大学放射線生物研究センターにある解説を御覧ください。

(下図は本文より)
セシウム摂取

上図はCs-137を一日1ベクレル摂取し続けた場合子ども だと約300日、成人だと約600日で摂取と排出が「生理的平衡状態」になることを(絶対値で)示しています。
「放射線Q&A」で市川定男の「環境学」の一部を引用しましたが、自然核種であるカリウム40は成人(体重60kg)の体内には約4000Bq(67Bq/kg)が含まれていますが、それ以上増えも減りもしません。セシウムの様な人工核種が問題なのは摂取量に応じて平衡量が増加する、つまり上限がないことです。

下図は1万ベクレルのセシウムを1日で摂取した場合の体内のセシウム量の推移を年齢別に表したものです。5歳未満の幼児の場合100日で約95%が排出されますが、逆に言えばその時点で過去の被ばく量を推定することが困難だという事、また成人の方が代謝が悪く長期にわたって影響を受ける事もわかります。

セシウム排出

WBC(ホール・ボディカウンター)または尿、便の検査による体内セシウム量(被ばく量)の推定については

5.3.1 第一段階:全身の計測データの収集
放射能摂取のおおよその「履歴」を再現するためには最低限次のパラメーター値が必要です。
全身の計測値(単位:BqまたはBq/kg)※
計測日
その人の年齢と体重
一度のみの計測ではいつ何をどれだけ摂取したのかの情報がなければ、摂取量や被ばく量の計算には役立たないことに注意されたい。

という重要な記述があります。
※WBCの場合はCPM(カウント数)で表記される場合もあります。

(2)尿中のセシウムの量(Bq/L)から体内のセシウム量を推定するには

尿中濃度から預託実効線量の計算はどうすればよいですか?

上記URLにもあるように、当事者の年齢、セシウムの摂取の時期、および経路(経口または吸入)の情報が必要です。(預託線量などの説明は別記事で扱うため省略します。)この計算式そのものは見当たりませんでしたが、上記URLで紹介されている
放射線医学総合研究所のMONDAL から
「グラフ検索フォームへ」をクリックし
表示される入力フォーム から
「公衆による吸入摂取」または「公衆による経口摂取」を選びます。
「核種」はCs-137(または134)を選択し「次へ」をクリックします。
「吸入」の場合「吸収が速い」を選びます(幼児の場合)
「残留率/排泄率」は「一日当たり尿中排泄率」
「どちらのグラフを選びますか?」は「放射性核種の体内残留量や排泄率」を選びます。(もちろんパラメーターを変えて何度も選択しなおす事が可能で、直接「預託実効線量」を表示させる事もできます。)
「表示」をクリックすると以下のグラフが表示されます。

Cs01Cs02


左側が吸入の場合、右側が経口(食物から)による摂取の場合について上記の操作で得られたグラフです。(上記の「長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き」と異なりグラフの縦、横軸とも対数目盛になっていますのでご注意下さい)
吸入の場合は10日前後で体内のセシウム量に対する尿から排泄されるセシウムは 1/100、その後急激に低下し100日経過後は1/1000から1/10000に減少します。
経口摂取の場合は減少のペースが緩やかであることがわかりますが100日経過後は同じく1/1000以下になります。

そこで最初の
「尿中濃度から預託実効線量の計算はどうすればよいですか?」

に戻って、その説明にあるように摂取が均等と仮定した場合、例えば1000ベクレルのCs-137を吸入、経口のいずれかによって摂取したとしても10Bqづつ100日摂取した場合と、100日前に500ベクレル、その後5Bq/日のペースで摂取した場合では体内のセシウム量の推定も、預託実効線量も異なります。

Cs摂取形態による時系列


従って尿検査も「長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き」にあるように最低2回行いその変化量を確認しなければ体内蓄積量と被ばく量の推定はできないと思われます。

「現在のセシウム量」を直接知るのが目的とすればWBC(ホール・ボティ・カウンター)が優れています。ただし、ご覧になった方もおられると思いますが、8月27日に放送されたETV特集「ネットワークでつくる汚染地図3」で木村真三氏が絵を書いて説明されていましたが、預託線量の推定、算出には「いつ、どこで、何をしていた、何を食べたか」という問診的な調査の結果との突き合わせが不可欠と思われます。

最後にICRPによる「実効/等価/預託線量」モデルについては東大の児玉先生やECCRからの批判もあり、その妥当性については議論があるという事もご了解下さい。

<参考資料>
チェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患 ユーリー・バンダジェフスキー
非常に専門的な内容ですが、放射性物質(セシウム)のリスクは数十年後のガン、白血病の確率的影響だけではなく心臓疾患(心電図異常)との関係は注意を要します。

チェルノブイリ救援中部 南相馬市放射線量率調査結果

参考1),2), 3)でウクライナ保健省などにによるナロジチ地区の健康調査の結果がまとめられています。
幼児や疾患を抱えた人ほど放射線の影響を受けやすいため、免疫抵抗力をつける事は大切ですが、ナロジチ地区の悲劇は、彼らが化学物質や添加物に汚染されていない野山の食物(自然の恵み)を多く摂取していたという不条理にあります。

バンダジェフスキーも「一度取り込んだセシウムを排出するより摂取しない方がはるかに容易だ」と言っていますが、ベクチンもセシウムだけを選択的に排出するのではなく、ビタミン、ミネラル類も同じく排出してしまいます。(ビタペプトは排出されるビタミン、ミネラルを補う成分が配合されています。お菓子の材料として市販されているベクチンは糖分が添加されている事にも注意して下さい。)

たまに汚染食品を食べても大丈夫か?

「がんばろう福島・茨城方式」で摂取した場合の見積り(給食など)


放射能に特効薬はなく、何かを積極的に摂取することで「放射能に負けない体」を作ることは不可能です。
惣菜類は市場希釈がある程度期待できますが、そのためには産地が片寄ったスーパーでの買い物は避ける、情報を集め毎日一定量を必ず食べる主食の産地は十分吟味するなどを実行するだけでも摂取量を低減することは可能だと思います。(仕事などでやむを得ず外食する場合もご飯だけでも自前で持ち歩くなど)
悲しい事ですが自然食品も産地で選ぶ時代になったという事かもしれません。


内部被曝検査センター=RHC・JAPAN≒RHC・USA

(by otto)

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